上里町は、町内唯一の駅であるJR神保原駅の北側での街づくりを強化している。駅前から本庄市街地付近へと抜ける「駅北東通り線」(仮称)の整備に向けた動きを本格化させる。駅北東通り線の開通に合わせる形で通り沿いを住宅地や商業地として活性化させる狙いもある。
駅北東通り線は、神保原駅の北側の駅前広場から、同町神保原地内の延長380m、幅員12mの町道を整備する計画。片側1車線に両側歩道を設置する。
駅前の中心街から本庄市へと抜けるためには、神保原駅から約1キロ北側の国道17号などを利用することが多いが、交通量も多いことから、さらに駅に近い駅北東通り線を整備することで、駅前への車のアクセスを格段に便利にし、近隣の未利用地開発も促進することができる。
計画予定地は、住宅や農地などが広がっている。すでに同町は2024年度に詳細設計を手掛けている。
25年度は、遅くとも夏ごろまでに指名競争入札で用地測量を業務委託する。26年3月までに仕上げ、その後、26年度に現在、予定地に建つ施設が移転か可能かといった調査などを進める。27年度以降には用地買収などにも乗り出す想定だ。
同町は、25年度当初予算に駅北東通り用地測量業務委託費1405万3000円を計上した。同町まちづくり推進課は「駅前の活性化を創出する第一歩になる」と説明する。
今後10年をめどに開通を目指す。全体の事業費は数億円規模になる見込みだ。
また、駅北東通り線の開通に歩を合わせて進められるのが、沿道の約2haの開発促進だ。
東通り線北側で一戸建て住宅約50棟を建設するほか、線路に近い南側は商業施設などの誘致を、同町は目指していく。そのために、25年度は、事業者のニーズ調査を進めるための費用817万5000円を当初予算に盛り込んだ。
民間の開発業者などとのコンタクトを取り、どうすれば進出が可能かなどの調査を実施する。
さらに、同町ではJRと共同で、神保原駅に隣接する南北自由通路(約100m)を、天候の影響を受けずに安全に通行できるような対策についても検討を進めている。
こうした施策を通じて同町では、さらなる中心街の活性化や人口増加などの実現を目指していく構想だ。
提供:埼玉建設新聞