日本工業経済新聞社(群馬)
2025/04/30
【群馬】多田市長インタビュー
3月23日に任期満了に伴う館林市長選が行われ、見事再選を果たした多田善洋氏。工業団地の造成事業など、積極的に市への投資を推進していくと話す。また、江川橋の架け替え事業や茂林寺前駅西口ロータリー化、教育環境整備など、公共施設やインフラの再構築にも取り組んでいきたいと意気込みを語った。館林市が進めていく主要な事業について話を聞いた。
―2期目の意気込みについて
多田 館林市は70周年を迎え、前年度に式典を開催することができた。歴史がある分、建築から40年や50年以上も経過している公共施設も多くあり、再整備をしていく必要性がある。合わせて、新規産業団地の造成や交通インフラ整備などの事業に取り組み、積極的に投資をしていきたい。これからは館林市の第2章として、加速度的に再構築を行う。20年後、30年後を見据え、必要な整備を進めていきたい。
―これから注力していく事業について
多田 積極的な投資として工業団地を造成する。企業進出を後押しして雇用の創出などを図る。また、茂林寺前駅西口ロータリー化や江川橋の架け替えから教育環境の充実に向けて各施策に取り組む。また、インフラ整備として、公共施設や交通アクセスなどの再整備なども順次取り掛かっていく。
―団地の造成事業について
多田 現在、企業から本市に進出したいとの要望を非常に多く受けている。しかしながら、分譲できる用地がないことから新たな工業団地を設けていく。現在、北部第四工業団地および大島工業団地が事業化しており、県企業局と連携して事業を進めていきたい。市では隣接する交差点や周辺道路の改良などを実施する。両団地に加えて、新たな団地の造成を検討している。こうした投資により、雇用や税収の確保に努めていく。
―江川橋の架け替え事業について
多田 国土交通省と連携し、木戸町と日向町を結んでいる江川橋を架け替える。老朽化しているため、防災上の観点から新橋を周辺に架設し、新たに市道認定したアプローチ道路の建設やほ場整備なども行う。28年度の完成を目指している。
―茂林寺前駅の周辺整備について
多田 茂林寺前駅の周辺整備に取り掛かる。これは地域住民が20年以上も要望してきた事業で、西口改札の新設やロータリー整備、自由通路や東口トイレの新設などに向け、関係各所と調整しながら進めていく。事業と連動して、アクセス道路となる周辺道路の改良工事も検討している。
―教育環境整備について
多田 旧南保育園と南幼稚園を統合した新園舎を建築し、4月から南こども園として開園した。今後も地域ニーズなどを踏まえながら統合や園の民営化なども視野に入れ、こうした教育環境の充実を図っていきたい。
また、児童生徒の熱中症予防や避難所機能強化に向け、小中学校体育館へ空調設備を新たに設置する。本年度は中学校体育館を対象に設計を行い、工事は来年度以降、計画的に実施していく。小学校体育館についても、順次取り組む予定だ。
―公共施設整備について
多田 「湯けむり国スポ・全スポぐんま2029」でレスリングの会場となるダノン城沼アリーナで、エレベーター設置工事やLED照明設備改修工事を行う。同体育館は約40年前の「あかぎ国体」から使用されているため、受け入れ体制を整えるためにも改修などの対応が必要となる。今後も長く大会などで使用できる施設にするよう整備したい。このほか、築年数が古い公共施設も多くあるため、うまく活用しながら、今後数十年と使えるようにしていきたい。
―地元建設業へのメッセージ
多田 昨今は人手不足などが問題となっており、大変な時期だとは思うが、いつも事業を推進していただき感謝している。市では、これからも未来に向けた投資を積極的に推進していくため、今後ともご協力のほどよろしくお願い申し上げる。