高岡市の「旧高岡共立銀行利活用事業」に係る公募型プロポーザルで、優先交渉権者に選定されたミサワホームを代表事業者とするコンソーシアムは、市と土地および建物に関する市有財産売買契約を締結した。契約は4月25日付。
代表以外の構成事業者は温故知新、浜田晶則建築設計事務所。市の提案購入価格は1億4550万円だった。
この建物は「赤レンガの銀行」と呼ばれ、守山町の山町筋伝統的建造物群保存地区に位置する大正期の本格的な洋風建築。事業では、文化財的価値に配慮した上で、耐震補強および改修を実施し、1階をレストラン、2、3階をホテルに整備。隣接地に6階建てのホテルを増築することで、全体を一体的に活用する。
ミサワホームでは、歴史・文化遺産や伝統産業技術を活かした工芸作品などの観光資源を取り入れ、施設を起点とした周遊行動および滞在時間の拡大を図る多彩な仕掛けを展開したいとする。
建物は床面積1303平方メートル。1914(大正3)年の建築などで、64(昭和39)年から2019年まで富山銀行の本店として利用され、21年に市に譲渡。21年度には「旧高岡共立銀行保存活用計画」が策定されている。土地は旧銀行建物敷地1060平方メートル、隣接するさら地886平方メートル、御車山会館横駐車場615平方メートル。
2028年のオープンを目指しており、着工は26年度が見込まれる。