福知山市は、橋梁長寿命化修繕計画で架替予定としている寺入上橋について、架替に向け詳細設計に着手する。
市が管理する橋梁数は令和5年度末時点で1072橋ある。このうち架設年度の明らかな橋梁555橋の中で、建設後50年を経過する橋梁は、全体の約50%を占め、約20年後の令和26年には約90%が建設後50年以上の老朽橋となる見通し。
市は、橋梁の利用状況や地域における重要度に加え、2巡目橋梁定期点検結果や、修繕実施状況も踏まえ、長寿命化修繕計画を策定。また実効性のある長寿命化修繕計画の策定が必要なため、新技術等の活用に加え、橋梁の集約化・撤去によるコスト縮減を目指し、長寿命化修繕計画の見直しを令和7年3月に行った。計画期間は10年。
全1072橋のうち、橋梁定期点検結果では、健全な橋梁[判定T]が約30%、予防措置段階の橋梁[判定U]が約65%、早期措置段階の橋梁[判定V]が約5%の状況。
市は、事後保全型維持管理から、コスト縮減可能とされる予防保全型維持管理への本格転換を目指しており、現時点では、5%残存している早期措置段階の橋梁に対する集中的な修繕を進めている。予防保全型の維持管理への転換により、今後40年間で約77億2200万円のコスト縮減を目指す。
一方、新技術等の活用では、橋梁定期点検及び補修工事・修繕で8技術程度の活用によりコスト縮減を目指す。利用休止及び集約化・撤去では、令和17年度までに8橋の撤去を目指し、11橋は今後の利用状況を踏まえ、撤去を検討する。新技術等の活用、利用休止及び集約化・撤去に伴うコスト縮減の具体的な目標は、今後10年間で約1億5800万円、今後40年間で約4億4600万円のコスト縮減を目指す《=表参照》。
長寿命化修繕計画の対象橋梁は、1072橋(令和6年時点)。そのうち2巡目の橋梁定期点検で判定区分T(健全)と診断された304橋を除いた768橋を見直しの対象とする。
計画において、修繕内容を「架替予定」としているのは、▽寺入上橋(テライリカミバシ)(一の宮)(路線名は一の宮2号線、架設年度は昭和46年〜昭和55年、橋長は14・5m、径間は2、幅員は2・9m、上部構造形式はRC橋・RC桁橋(その他)、最終点検年度は令和5年度、判定区分はV、次回点検年度は令和11年度、修繕内容は架替予定、修繕着手年度は令和8年度、修繕完了年度は令和10年度、概算修繕金額は1290万円)▽前田橋(マエダバシ)(前田川)(路線名は北荒木線、架設年度は不明、橋長は10m、径間は1、幅員は6・9m、上部構造形式はPC橋・PC桁橋(その他)、最終点検年度は令和4年度、判定区分はV、次回点検年度は令和11年度、修繕内容は架替予定、修繕着手年度は令和8年度、修繕完了年度は令和10年度、概算修繕金額は1430万円)▽毛原2号橋(ケハラニゴウハシ)(大江町毛原)(路線名は中ノ坪線、架設年度は不明、橋長は4・5m、径間は1、幅員は2・1m、上部構造形式はその他・その他、最終点検年度は令和2年度、判定区分はV、次回点検年度は令和8年度、修繕内容は架替予定、修繕着手年度は令和7年度、修繕完了年度は令和7年度、概算修繕金額は570万円)の計3橋。
このうち寺入上橋について、市は架替に向けた詳細設計を4月30日に指名競争入札で通知。5月22日に開札し、担当業者を決める。業務内容は橋梁詳細設計一式、地質調査一式、一般測量一式、取付道路詳細設計一式。履行期間は令和8年2月16日。