静岡市は、市内へのインターナショナルスクール誘致の候補地として、県が清水区駒越西に所有する果樹研究センター跡地が適していると判断した。県と土地の確保に向けた協議に入り、本年度中の取得を目指す。開校時期について難波喬司市長は「事業者の判断」としつつ、現時点では2028年9月を想定していることを明らかにした。対象となる年齢は幼稚園の年中から高校3年生までで、1学年当たり100人程度をイメージしているという。
複数の市内企業がチームを組んでインターナショナルスクールを開校するもよう。市が跡地を取得した後、事業者に有償貸与するか、一定期間後に売却するかなど今後詰める。
学校には、生徒の寄宿機能を含める可能性もある。校舎などの建物の建設について難波市長は「事業者が全て建設する。市の支援は考えていない。独立採算でやってもらう」とした。
市は果樹研究センター跡地について、地元自治会から防災機能を備えた場所となるよう要望があったとし、地域の防災機能確保にも活用できるよう、関係者と調整する。
果樹研究センター跡地は清水区駒越西2ノ12ノ10で、登記面積は6万7957平方b。
これまでの経緯として、23年11月に静岡商工会議所が市に対し「雇用の多国籍化・高度外国人材登用に係るインターナショナルスクール誘致に関する要望」を提出した。これを受けて市は24年5月、インターナショナルスクールの開設を支援するため、静岡商工会議所と連携して相談窓口を設置したところ、24年9月に民間事業者から市内でのインターナショナルスクール開設の意向表明と、果樹研究センター跡地の確保に向けた支援の要請があった。
防災機能について難波市長は「高台になっているので、津波発生時や大規模火災時の避難地として想定される。さらに給食の調理機能を生かして食事の提供など、何らかの形で避難者に支援する可能性がある。ただし、学校としての機能との調整が必要だ」とした。
提供:建通新聞社