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滋賀産業新聞
2025/05/09

【滋賀】滋賀県 産業用地の開発事業

 滋賀県が市町と連携して進めていく「産業用地開発事業」について、既報通り基本計画策定業務をプロポーザルで委託事業者を選定(企画提案書提出期間は今月16日まで・本紙7日付2面掲載)し、事業を推進していく。その後は、測量・調査・設計を適時に進め、29年(令和11年)には用地買収・造成工事に着手していく方針。早ければ30年(令和12年)に分譲開始する見通しだ。
 同計画では、県内企業の新規立地の受入れや移転・拡充の受け皿を確保することを目的とし、既に選定済みの「高島市・大津市・東近江市」の3ヵ所を対象に▽開発基本方針の策定▽土地利用計画案の策定▽事業化計画の策定―などを策定する。
 同事業は、サプライチェーンの再構築や県内企業の設備投資意欲が高まる中、県産業立地戦略の方向性に基づき産業立地を強化し市町と連携して大規模な産業用地を整備することが狙い。整備規模は、1ヵ所10f以上で、募集要件は、▽浸水等災害リスクが少なく、安全性が高い▽整備費や見込まれる売却単価が抑えられ経済性が高い▽交通の利便性・水道等インフラ整備状況並びに人材確保の容易さなど立地条件が優れている▽市町の誘致体制が構築されている―などを満たしていることが条件となっていた。
 県と市町の役割分担は、県は▽測量調査・設計・用地所得・造成工事等の整備事業▽用地内整備費及び分譲地の売却までの維持管理費の負担▽事業主体として全体の進行管理―を担い、市町は▽用地交渉・地元調整▽用地内整備及び分譲地の売却までの維持管理費の負担▽産業用地までのアセス道路など産業用地外のインフラ整備▽産業用地整備後の用地内道路や上下水道・その他公共施設の維持管理―を行っていく。なお、用地内整備費及び分譲地の売却までの維持管理に係る県と市町の負担割合は県が2/3、市が1/3で、負担した経費は売却益で回収、負担割合に応じて分配する。
 22年の工場立地件数(経済産業省調べ)を見ると、全国的には922件と前年比58件増加しているものの、滋賀県は14件減の13件にとどまっている。
 なお、県内各所からの応募の中で選ばれた3ヵ所の選定理由及び地域現況を見ると、高島市はマキノ町西浜の約17fが選ばれた。平らな地形のほか、国道や鉄道駅とのアクセスの良さ、原発立地自治体の隣接地区向けの電気料金の補助制度が受けられるといった点が考慮された模様。大津市は、北部にある湖西台の約60fとした。同地は民間による宅地開発が頓挫し、現状は山林。大きな面積や交通アクセスの良さに加え、周辺に生産年齢人口が多く雇用が確保しやすいことが評価された。東近江市は、鈴町・蒲生大森町の約45fを提案。空港計画に伴うレジャー施設の整備構想があったエリアを含み、高速道路のスマートICに近く、周辺に工業団地があるため工場の建て替え需要も見込めると県は判断した。

提供:滋賀産業新聞