京都市上下水道局は、国土交通省の要請を受け、下水道管路の特別重点調査を実施する。
1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管路の破損に伴う道路陥没事故を受け、3月に国交省が設置した「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」による提言がなされ、同省から全国の自治体に対して下水道管路の特別重点調査が要請された。
京都市においても、この要請による調査を行う。
全国特別重点調査の対象は、管径2m以上かつ平成6年度以前に設置された下水道管路(設置後30年以上経過した管路)で、このうち次のいずれかに該当する箇所を優先的に調査(@埼玉県八潮市の道路陥没現場と類似の構造・地盤条件の箇所A管路の腐食しやすい箇所B陥没履歴があり交通への影響が大きい箇所Cその他(沈砂池の堆積土砂が顕著に増加した処理場等につながる管路))。調査方法は潜行目視やテレビカメラ等による調査。
京都市における特別重点調査で調査対象に該当する下水道管路は約110q。このうち優先的に調査する箇所(@又はAに該当)は約2q。なお京都市にはB及びCに該当する管路は無い。
予定事業費は4億8000万円(うち国費1億4000万円)を見込む。
今後のスケジュールは、5月中旬に調査業務の入札公告を行い、6月中旬に契約を締結する予定。優先的に調査する箇所約2qは、夏頃までに調査を完了し、その結果を国交省に報告する。
令和7年度末までに対象管路の調査を完了し、国交省に報告する。
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五条高倉交差点の水道管の漏水受け
鋳鉄管の緊急調査も実施 また市上下水道局は、4月30日に五条高倉交差点(下京区塩竃町)で発生した水道管の漏水を受け、国交省から全国の水道事業者に対して老朽化した鋳鉄管の緊急調査が要請されたのを踏まえ、緊急調査を行う。
国が水道事業者に要請した緊急調査の対象は、緊急輸送道路下に埋設されている鋳鉄管。調査方法は道路上からの目視による巡視、弁室の点検。
京都市における緊急調査の対象は鋳鉄管約1・9q、箇所数約170ヵ所(うち緊急輸送道路下に埋設されている鋳鉄管約0・7q、約70ヵ所)。
市は、道路上からの目視による巡視及び弁室の点検に加え、漏水調査も実施する。
5月12日に調査を開始し、5月下旬までに完了予定。