中津川市は、新斎場の建設候補地として千旦林辻原地域を選定した。2025年度内に坂本13区を中心とする住民との間で基本合意協定の締結を目指す。合意が得られ次第、地質調査や測量業務を行い、都市計画決定や基本構想の策定を進め、30年度に供用を開始する方針だ。
建設候補地は、現況農地であり、坂本北部クリーンセンターのすぐ東側に位置する。敷地面積は約1・2fで、今後の協議により増減する可能性がある。選定理由として、平坦な地形で造成が容易なこと、造成費やライフライン整備費の負担が少ないこと、道路沿いにあり、市の主要な葬儀場から車で40分以内に到達できる立地であることなどを挙げた。
新斎場の施設規模は、延べ床面積2300〜2500平方bを想定。焼却炉は5基、動物炉は1基の設置を予定しており、加えて待合室、告別室、収骨室、霊暗室などの整備も検討する。地域住民の不安解消のため、従来の火葬場のイメージを覆すようなデザインを模索していく。
市は、22年8月に、候補地だった苗木地区で合意が得られず、計画を断念した。その後、市民から土地情報の提供があり、14カ所の候補地で調査を開始。千旦林辻原地域と茄子川上平地域では、地域勉強会や先進火葬施設地域視察会を行い、25年3月には地域住民が候補地選定受け入れに伴う要望書を提出した。翌4月に庁内で総合的に検討し、千旦林辻原地域を候補地に選んだ。
現在、市内には中津川斎場(1975年築)、坂下火葬場(61年築)、付知火葬場(89年築)の3カ所の火葬施設があるが、いずれも築30年が経過し、設備の老朽化が進んでいる。新斎場の運用開始後は、中津川斎場と坂下火葬場の用途を廃止する予定だ。
提供:建通新聞社