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秋田建設工業新聞社
2025/05/15

【秋田】護岸・排水樋管の詳細設計など委託へ/五城目町・馬場目川、富津内川、内川川の河川改修

 秋田地域振興局建設部は15日、5年7月の豪雨を踏まえ五城目町で推進する河川改修に関し、馬場目川と内川川の護岸詳細設計(馬場目川L1,000m、内川川L850m)、両河川の農業用ポンプ移設補償設計、富津内川の排水樋管詳細設計2件と設計に必要な地質調査、これら3河川の残土処理地を検討する地形・路線測量をそれぞれ公告、6月4日に開札する。各河川の改修工事には、用地補償の進捗を見ながら早ければ今年度に着工したい考え。

 馬場目川の河川改修は、坊村橋下流〜舘越公民館上流部の延長2,700mを久保工区、寺庭集落下流〜中屋敷橋上流の延長3,000mを平の下工区とし、河道掘削、築堤、排水樋管新設などを行うもの。総事業費は約30億円、15年度までの事業期間で推進する。

 今年3月には、寺庭地内に新設する排水樋管2基の詳細設計を日本工営、ジオテックコンサルタンツ、設計に必要な地質調査を柴田工事調査、久保地内に新設する排水樋管3基の詳細設計を東邦技術、明治コンサルタント、ウヌマ地域総研、設計に必要な地質調査を小川測量設計にそれぞれ委託。

 15日に公告した業務のうち、護岸詳細設計は設計未着手となっている久保地区下流(五城目町高崎)の延長1,000mを対象に行う。同地区上流側の詳細設計はウヌマ地域総研、平の下工区の詳細設計は創和技術に委託し、すでに終えている。築堤などを行う際に支障となる農業用ポンプ2基の移設補償に向け、久保地区の上流寄りで取水施設設計も行うほか、取水ポンプの小屋、農業用ハウスなどを対象とする建物等調査算定を委託する。残土処理候補地の地形・路線測量は、雀館公園南東側、舘越地区の2カ所を対象に行う。

 内川川河川改修の全体計画は、湯ノ又地区(金ヶ沢川合流点付近〜上河原橋付近)の1,000mで捷水路(ショートカット、取付部含む)を整備するほか、左岸側河床部の149.8mを延長。河道掘削、護岸工、橋梁の新設も実施する。総事業費は約15億円、事業期間は9年度までを予定。

 今年3月には、整備区間の中間付近に新設する橋梁1橋の詳細設計をフルテック、鋼製掛樋1橋の詳細設計を測地コンサルタント、分水に必要な排水樋管詳細設計を協和コンサルタンツ、これら設計に必要な地質調査を創研コンサルタントにそれぞれ委託している。

 今回、新たに業務を委託するのは、取付部を除く捷水路(両岸L850m)の詳細設計。下流側の合流部から水田部をバイパスして上流側の合流部に接続する。小川口川の周辺で行う残土処理地の地形・路線測量と、工事で支障となる農業用ポンプを湯ノ又集落の下流側に移設するための設計も委託する。

 富津内川改修の全体計画は、河道掘削、築堤、護岸工を行うもの。山内橋の上流側〜内川川合流点付近の「下山内工区」が延長2,300m、内川川合流点付近〜国道285号の「富田工区」が延長700m。下流側が下山内工区、上流側が富田工区となっている。総事業費は約25億円、事業期間は9年度までを予定している。

 今年3月には、本川への流末処理に必要な排水樋管3基(1〜3号)の詳細設計をジオテックコンサルタンツ、エイト日本技術開発、日水コン、設計に必要な地質調査を伊藤ボーリングに委託した。

 今回、委託する排水樋管詳細設計は、4号および上流側の5号排水樋管を対象にそれぞれ委託。いずれも柔構造形式RC構造(1連、11m未満)を予定している。排水樋管詳細設計に必要な地質調査も委託するほか、五丁目町消防本部周辺、天昌寺周辺など3カ所で行う残土処理地の地形・路線測量も開札する。

 5年7月の大雨では、馬場目川で床上浸水386戸、床下浸水142戸(浸水面積398ha)、富津内川で同11戸、15戸(131ha)、内川川で同11戸、11戸(59ha)の被害が発生。いずれの河川も令和4年、平成30年、馬場目川では平成29年にも床上・床下浸水が発生している。

 県は3河川を「馬場目川圏域河川整備計画」に盛り込んだ変更計画を策定、昨年8月19日に東北地方整備局から同意されている。

提供/秋田建設工業新聞社