滋賀県土木交通部はこのほど、令和7年度行政方針を公表した。
「創ります、守ります、滋賀の風土」を基本方針とし、各施策に対し個別方針を設定し効果的かつ効率的に実施していく。
内容を見ると、河川整備は、令和6年度から5ヵ年の整備内容を示した「滋賀県河川整備5か年プラン(第3期)」に基づき、それぞれの河川の特性や地域の風土、文化等の実状に応じた川づくりを進めていく。維持管理については、治水上支障のある箇所について着実に実施するとともに、河川愛護活動の活性化のための支援を行うなど、地域との協働による維持管理を行う。さらに、洪水災害を未然防止と軽減の観点から、情報基盤の整備や水防体制の充実を図るとともに、災害復旧事業を迅速に発注していく。また、琵琶湖保全再生計画に基づき、琵琶湖や内湖の水質改善を図るため、覆土による底質改善対策や植生浄化、琵琶湖へ流入する河川での浄化対策などを引き続き実施するとともに、湖辺域の自然的環境や景観の保全・再生を図るため、侵食された砂浜湖岸を保全する事業に取り組む。
ダム関係事業は、効果的・効率的・予防保全的な改修・更新を迅速に実行するため、引き続き補助堰堤改良事業(宇曽川ダムほか)や単独中規模堰堤改良事業(石田川ダムほか)を実施し、併せて新技術の活用やコスト削減を念頭に長寿命化計画の更新を進めていく。
総合土砂災害対策は、砂防堰堤の整備やがけ崩れから人家・公共施設等を保全する法面工など急傾斜地崩壊対策を計画的に実施していく。また、ソフト対策においては、行政の「知らせる努力」と住民の「知る努力」が相乗的に力を発揮することを目指し、精度の高い航空測量データをもとに土砂災害警戒区域の指定を行い土砂災害リスク情報の周知を推進することにより、防災意識の向上と土地利用規制を図っていく。さらに、土砂災害警戒情報等の防災情報をより迅速かつ効果的に提供できるシステム整備を推進し、地域の警戒避難体制を構築していく。
道路網整備は、事業を「拠点間ネットワーク整備事業」と「拠点内道路空間整備事業」に分類し、人やモノの移動の円滑化や生産力向上に寄与する形成と、県民の生活を支え、拠点内の安全・安心な移動を実現する道路空間の構築など、早期に事業効果が発現できるよう計画的に推進していく。また、道路の維持管理については、橋梁やトンネル等の道路施設本体や附属物の点検を計画的に実施するとともに、全ての県管理橋梁において長寿命化修繕計画に基づく工事を進めていく考え。さらに、身近な道路施設については「近江の美知普請事業」により、地域の住民・自治会・企業・NPO等との協働による維持管理を進めていく。
土木技術の向上については、建設現場や職場における働き方改革や新技術の活用による生産性向上を進めるため、現場の遠隔臨場などICT技術を活用した建設現場の生産性を高める取組や、ドローンやAIの活用など「インフラ分野のDX」をより一層推進するとともに、土木技術に関する調査研究や関連情報の収集発信、土木技術職員専門研修の充実などを取り組んでいく。
提供:滋賀産業新聞