秩父市は、老朽化した市立病院建て替えに向け、基本計画策定の業務委託を行うため、公募型プロポーザルを実施する。医療資源の減少が懸念される秩父地域の中核病院として、十分な医療体制を維持できるよう、建設に向けた基本計画を策定する。まだ未定の建設地の確定などが焦点になってくる。
2025年3月にまとまった秩父市立病院建設基本構想では、新病院は32年度の開院を目指し、29年度上期に本体工事の発注を想定している。
ただ、基本構想段階では、建設地が確定されておらず、基本計画の協議の中で詰めていく見通しになっている。同市市立病院建設準備室は「策定作業の早い段階で建設地を決めたい」と説明する。
現在の市立病院では手狭とされる駐車場について、「広く確保できる敷地であるかがポイントの一つになってくる」(同市市立病院建設準備室)という。現在地の駐車場に建て替えることは難しいとされ、新たな候補地を検討していく可能性が高いとみられている。
選定された事業者は、同基本構想と同市立病院経営強化プラン(25年3月改正)の内容を踏まえて、秩父市立病院を取り巻く環境の分析、課題や今後の予測についての検証などを行ったうえで、基本計画を策定する。市民1500世帯を対象にしたアンケートなども行われる予定だ。
基本計画は1年半程度かけて、26年秋ごろの策定を見込む。委託期間は25年7月〜29年3月。事業費の上限額は25年度が825万円(税込)、26年度が825万円(同)としている。
公募型プロポーザルに参加希望の事業者は5月29日までに関係書類を、同市市立病院建設準備室に提出する。6月16日までに企画提案書を提出し、プレゼンテーション審査などを経て、同月下旬に結果が通知される。
提供:埼玉建設新聞