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滋賀産業新聞
2025/05/20

【滋賀】県土交部 新部長・伊吹氏インタビュー

 今春、滋賀県土木交通部長に就任された伊吹信人氏に、県土木交通行政について話を伺った。

 ―部長就任おめでとうございます。早速ですが今のお気持ちを聞かせてください

 伊吹部長(以下、部長) 重責を拝命し、身の引き締まる思いと同時に、県民の安全・安心、暮らしや産業を支えるインフラ整備を推進することに大きなやりがいと責任を感じております。これまで先輩方が築いてこられた実績と信頼を引き継ぎ、さらに発展させるべく全力で職務に邁進する所存です。

 ―ありがとうございます。今年度の入札制度改革についてはいかがですか

 部長 担い手確保に向けて若手・女性活躍や働き方改革を推進していくことが重要だと考えています。さらに、地域企業の育成やICTの拡大なども進めていきます。具体的には、総合評価方式において、若手・女性技術者の配置を促す「若手・女性チャレンジモデル工事」、祝日等も休暇日に含める「週休2日+αチャレンジモデル工事」の実施や評価項目の見直しなどです。これらに取り組み、地域の守り手である建設産業の活性化につなげてまいります。また、昨今の急激な物価高騰を踏まえ、去る4月から工事発注にあたり、格付け区分のある全ての業種の下限額を国の見直しに準じて約14%引き上げ、従前の格付けに見合う発注が可能となるよう見直しました。

 ―今年度の大型所管事業を教えてください

 部長 道路関係では雨降野今在家八日市線補助道路整備工事として橋梁下部工を、国道421号補助道路整備工事として補強土壁工等を発注・推進します。建築関係では仮称・第二大津合同庁舎整備を、北大津養護学校教室およびプール棟増築その他工事をそれぞれ計画的に進めていきます。

 ―安全・安心を支える地域づくりはどうお考えですか

 部長 防災・減災、国土強靱化5か年加速化対策予算を活用し、防災・減災対策やインフラ施設の老朽化対策など、災害に強い県土づくりに向けた取組を各所で着実に進めており、その効果は現れてきているものの、未だ道半ばであることから、現行の対策を大幅に上回る事業・予算規模で国土強靱化実施中期計画を策定するとともに、資材価格の高騰等の影響に適切に反映し、必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保されるよう、国に対ししっかりと声を上げてまいります。また、3月に策定した県地域版道路啓開計画のブラッシュアップや、4月に県全域を規制区域に指定した盛土規制の適切な審査事務などに取り組んでいきます。

 ―最後に、建設業活性化についてお願いします

 部長 DXやICT施工の導入を支援し、生産性向上と魅力ある職場づくりを推進します。県内企業向けの研修の実施や、360度カメラ・ウェアラブルカメラを活用した遠隔臨場の高度化、デジタルデータによる鉄筋出来形計測、BIM活用モデルを適用した設計業務などの活用を図ります。また、建設産業の魅力を発信する一大イベント「滋賀けんせつみらいフェスタ」の開催や動画配信サイト「いなずまどぼっく」の発信拡大などを展開し、建設産業団体や関係の皆様と連携して、多面的な取組を推進出来たらと考えております。

 ―ありがとうございました

― ◇ ―

 伊吹信人氏は、昭和63年京都大学工学部交通土木工学科を卒業後、同年4月に滋賀県庁入庁。平成30年4月に流域政策局河川・港湾室長、平成31年4月に同局副局長、令和3年4月には同局長、令和5年4月に土木交通部次長、令和6年4月に理事(公共事業調整)を経て、本年4月に県土木交通部長に就任した。

提供:滋賀産業新聞