国土交通省大戸川ダム工事事務所は、大戸川ダム転流工詳細設計業務を委託する簡易公募型プロポーザルを実施し、ニュージェック(大阪市北区)を特定、5月13日に随意契約を結んだ。契約金額は予定価格と同額の2935万9000円(税込み)。同プロポーザルにはこの他に建設技術研究所が参加した。
業務概要としては、仮排水路トンネル詳細設計、仮締切詳細設計、仮設進入路詳細設計、転流工施工計画および仮設備詳細設計。納期は12月26日。
業務場所は大津市上田上桐生町〜上田上大鳥居町。
2025年度の大戸川ダム建設の事業費は約16・8億円。環境保全対策検討業務や地質総合解析とりまとめ業務を第1四半期に、流木補足施設や維持管理設備の概略設計、管理用通路の概略検討といった管理設備・概略設計業務を第2四半期に委託する。また、付け替え道路工事(栗東信楽線・北側)や工事用道路工事などを推進する予定だ。
現在、地域振興検討やダム周辺整備検討、大戸川ダム水源地域ビジョン(素案)の作成、社会実験の企画検討といった「大戸川ダム周辺整備検討業務」をオリエンタルコンサルタンツ(京都市中京区)が12月22日の納期で進めている他、道路予備設計や道路予備修正設計、標識設計、落石対策設計架設構造物設計といった「大戸川ダム栗東信楽線道路予備修正設計他業務」を中央復建コンサルタンツ(大阪市東淀川区)が26年3月27日の納期で行っている。
大戸川ダムは、左岸が大津市上田上牧町、右岸が大津市上田上桐生町に位置。高さ約67・5b、堤頂長約183・15b、湛水面積約1・2平方`、集水面積約152平方`、洪水調節容量約2190万立方b、総貯水容量2210万立方b。洪水調整を目的(大戸川、宇治川、淀川の洪水防御)に整備する重力式コンクリートダム。
同事業は環境影響評価法の対象とはならないが、滋賀県の環境影響評価条例などに準じた環境調査を実施。調査や予測・評価の結果などを取りまとめた「大戸川ダム環境調査結果報告書」は、住民や自治体からの意見や大戸川ダム環境保全委員会などでの学識者からの意見を踏まえて作成、4月に公表した。
提供:建通新聞社