大阪府は、建設業など人手不足が課題となっている府内の中小企業への支援を強化する。「新事業展開テイクオフ支援事業」について、2025年度は新事業の展開などに加え、人材確保や省力化投資などの生産性向上による人手不足解消に向けた取り組みも対象とし、補助金対象者を24年度の300者程度から600者程度に増枠する。府では「新事業への展開だけではなく、既存事業でも生産性向上につながる取り組みを対象に加える。府内の中小企業をサポートしていく」と話しており、人手不足解消に取り組もうとする建設業者にも補助金を活用してもらうことを期待している。
府内の中小事業者を対象に、新事業の推進や生産性向上、さらに人手不足解消の取り組みに最大150万円を補助する「新事業展開テイクオフ支援事業」の公募を5月26日〜6月25日の期間で受け付ける。24年度は325者が採択されたうち、25者が建設業関係だった。
■生産性向上で最大150万円補助
建設業など人手不足解消の取り組みに係る経費に対しては、上限100万円の補助金に加え50万円の上限上乗せが可能であるため、最大150万円の補助を受けることができる。補助上限の上乗せは、新規事業推進枠と生産性向上枠のどちらもが対象。
具体的な取り組みや補助金の活用例は、WEB・SNSを活用した採用活動を実施するためのホームページ開設や特定技能外国人の雇用、勤怠管理・施工管理システムなどの導入による業務効率化など。建設業では、新事業として「水中ドローン」の導入に補助金を活用した事例もあったという。
■スキルアップ補助で人材育成も
府はこの他、中小企業向けに従業員の外部研修に係る経費を補助する「リスキリング支援補助金」、個人向けに就職やリスキリングのための資格取得講座の受講費用を補助する「大阪府スキルアップ支援金」を実施している。
リスキリング支援補助金は、研修実施機関が提供する外部研修などで従業員の人材育成を行う大阪府内の中小企業に、受講費用の一部を補助する。建設の他、運輸、デジタル関係の研修を従業員に受講させた場合、研修費用の75%を補助(補助金上限なし)。10時間未満の研修で、国や地方公共団体の経費補助を受けていないものが対象となり、延べ10人(10件)が補助対象となる。申請期限は26年3月9日まで。
大阪府スキルアップ支援金は、大阪府民(個人)を対象に、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象講座の受講料を補助する。施工管理技士検定など、建設やデジタル関係の講座では受講費用の75%を補助(補助金上限なし)。求職者の他に、入社1年未満の在職者が資格取得に向けて活用することができる。申請期限は26年3月10日まで。
提供:建通新聞社