穴水町は、能登半島地震で損傷した穴水小(大町)の建て替えへ向けた基本計画を策定した。穴水中敷地に移転新築する方針とし、総事業費は現校舎などの解体を含め78億円を見込む。2028年度内の供用開始を目指す。21日に開かれた町議会全員協議会で、概要が示された。
建設場所については、穴水中と穴水小の2カ所を比較検討。小中連携による教育環境の充実や授業以外での児童生徒の交流促進などにつながることを理由に、穴水中を選定した。敷地は一部民有地を含め約3万5000平方メートルと広く、将来的な小中一貫校を見据えて調理場や体育館、プールなどの施設を集約できることも利点に挙げている。
整備計画では、延べ床面積は校舎約3300平方メートル、体育館約2500平方メートル、屋内プール1000平方メートル、共同調理場約500平方メートル、放課後児童クラブ300平方メートル。グラウンドは200メートルと150メートルのトラックを設け、小中それぞれで確保する。さわやか交流館プルートにある図書館も穴水中敷地に移転し、広さは約450平方メートルを想定している。
整備事業費の内訳は、校舎25億円、体育館・屋内プール26億円、共同調理場6億円、児童クラブ2億円、図書館3億6000万円、外構9億6000万円、現校舎など解体5億8000万円。文部科学省や国土交通省の補助金を活用し、町の負担額を約12億円に抑える。
町教委によると、6月補正予算案に基本・実施設計の経費を計上する方向で調整している。26年度に設計を完了させ、27年度から2カ年で建設工事を進める。基本計画の策定支援業務は山岸建築設計事務所が担当。
穴水小は地震でコンクリートの柱や壁が損壊したり、床が沈下したりする被害を受けた。町教委では、1969〜70年に建てられた校舎の老朽化を踏まえ、2023年度に建て替える計画を立てていた。
児童は現在、グラウンドに整備された仮設校舎を利用している。