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建設経済新聞社
2025/05/26

【京都】流域下水のウォーターPPP 令和7年度は詳細なFS調査実施へ

 京都府は、府流域下水道事業のウォーターPPP(W−PPP)の導入検討について、令和7年度はFS調査(詳細調査)を実施する。
 5月23日開催の上下水道施策に関する意見聴取会議で、水道事業及び下水道事業における広域連携等に関する令和7年度の取組について報告した。
 水道事業は、全圏域おいて「監視システムにおける水道標準プラットフォームの導入」について、圏域問わず有用と考えられるため、人工衛星による漏水調査と合わせて全圏域で「水道DX技術の活用」として研究会を実施する。主な内容は、「会計システムの共通化」(公営企業会計システムの共通化について、経理事務担当者を中心に研究を進めるとともに、日常の経理事務に関する意見交換会も併せて実施することで、共通化の効果や課題の検討の他、経理事務担当者間の連携強化を図る)、「水道DX技術の活用」(先進事例調査や導入に関する課題・補助制度等の確認などを実施し、研究を進める▽監視システムにおける水道情報活用システムの活用▽人工衛星を活用した漏水調査−など)。
 南部圏域は「共通マニュアルの策定」(マニュアルについてのアンケート等を実施し、共通マニュアルを作成)、中部圏域は「事務の広域連携」(各種事務の共同発注等の広域連携について、先進事例調査などを実施し、共同発注の可能性等について研究を進める)。
 北部圏域は「水道事業の官民連携」(京都府北部連携都市圏推進協議会における水道事業広域連携に係る勉強会を通して、広域的包括民間委託の導入可能性について研究を進め、今後の方向性について議論を進める)→府が広域的視点に基づき基礎調査を実施予定(経営基盤強化検討業務)。
 北部圏域の市町村において、官民連携手法の導入可能性について、具体的な議論が進むよう基礎調査として現状把握や課題抽出等を実施。得られた結果は検討資料として各市町にフィードバックする。
 一方、下水道事業は、広域化・共同化について、令和6年度のブロック会議を踏まえ、メニュー毎に取り組みたい市町村でグループを設置(分科会)し、検討・調整を進める。
 設置予定の分科会は、@汚泥集約処理・資源化A雨天時浸入水対策の共同化B管路維持管理の共同化C窓口業務委託業者の共同選定。
 予定スケジュールは、6月に府と、とりまとめ役となる幹事、副幹事で分科会の開催に先立ち、議題や役割分担等の事前調整を行い、7月に第1回分科会を開催する。
 府流域下水道事業のW−PPPについては、令和6年度から官民連携の有効な手段の一つとして導入調査・検討を開始。6年度は各流域下水道の課題の抽出や先進事例の調査等のFS調査(基礎調査)および民間事業者や市町村との意見交換等を実施した(令和7年2月6日に勉強会として開催。直近5年で下水道施設の維持管理・調査業務等の受注実績を有する事業者を対象に44社・79名が参加)。FS調査の内容は、▽各流域の状況を踏まえた課題抽出▽導入効果の検討▽先進事例の調査。
 令和7年度は、運転管理の現契約の状況や市町村の意向等を踏まえ、引き続きFS調査(詳細調査)と関係者との調整を実施する予定。
 令和7年度〜2年程度の主な実施内容は、▽スキームの検討、資産調査、VFMの算出、MSなど▽有識者への意見聴取、外部委員会への諮問▽市町・事業者の理解醸成のための働きかけ(勉強会・意見交換会など)▽市町との共同実施の維持管理業務に係る要求水準の調整。
 その後の2年程度で入札事務・受注者選定、業務引継を想定する。
 このほか、令和7年度に創設した「上下水道リスクマネジメント事業」により、半島という地域特性から大規模災害に対し脆弱な北部から検討を予定している。
 また、上下水道リスクマネジメント会議(仮称)を開催する。上下水道リスクマネジメント事業の実施に係る検討やフィードバックのほか、支援活動や被災時対応の改善策の方向性について情報共有や意見交換、国補助制度に係る情報提供や先進事例紹介などを予定。