中野洋昌国土交通相は5月25日、ボトルネック踏切により1日の踏切自動車交通遮断量が大阪府下ワースト1位の「南海高野線沢ノ町4号踏切」と4月に供用を開始した堺市の古川下水ポンプ場を視察した。このうち沢ノ町4号踏切では、大阪市の担当者から現状についての説明を受け、地元が抱える課題を認識、南海高野線の連続立体交差などの抜本的対策の必要性について一定の理解を示し、「国としても、大阪市が対策を検討するに当たっては技術的な助言を含め、しっかりと協力していく」と述べた。
■「大阪市の対策検討に協力」
「沢ノ町4号踏切」は、南海高野線と大阪和泉泉南線(あべの筋)の交差部に設置され、1日当たりの自動車交通量は1万9967台、歩行者自転車交通量は3718人、鉄道交通量は600本。また、同じく住吉区内にある南海高野線と国道479号(長居公園通)が交差する「住吉東4号踏切」は、沢ノ町4号踏切に次ぐ大阪府下ワースト2となるボトルネック踏切だ。
大阪市は、踏切実態調査の結果を示し、平日のピーク時となる午後6時台は41・8分、休日のピーク時も午後6時台で37分の遮断時間、滞留人数が23人に上るなどのデータをあげて説明した。
さらに、昨年8月に同踏切で白杖を持った男性と電車の接触事故があったことを説明し、これを踏まえて、踏切道手前に視覚障害者誘導ブロック、踏切道内に視覚障害者誘導表示を本年度内に設置することを報告した。また、抜本的対策についても南海電鉄と共に引き続き検討を進めていくとした。
視察の最後に南海高野線の立体交差化を要望し続けている地元住民らが中野国交相に、ボトルネック踏切による渋滞で、住吉地区が分断されている上、災害時の避難行動にも支障が出ることなどを訴え、早期の立体交差の事業化を陳情した。
■堺市では古川下水ポンプ場も視察
中野国交相はこの他、堺市の三宝処理区大規模雨水処理施設整備事業(浸水対策)で4月に供用開始した「古川下水ポンプ場」を視察。流域治水の強化として、国と地方自治体が連携した雨水排水対策などのハード・ソフトの取り組みの一環で、事業概要や下水ポンプ場建物内の雨水ポンプ、原動機設備について説明を受けた。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
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