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北海道建設新聞社
2025/05/28

【北海道】鈴木知事が新幹線札幌開業延期を受け影響の最小化を国交省道局長に要望

 北海道新幹線の札幌開業延期を受け、沿線自治体から遅れの影響を最小化する支援策を求める声が高まっている。26日には鈴木直道知事が柿崎恒美国土交通省北海道局長を訪れ、影響の把握・最小化などを盛り込んだ2026年度の施策や予算に関する提案・要望をした。前日には、来道した自民党の森山裕幹事長が与党新幹線建設促進プロジェクトチーム(PT)の会合を道内で早期に開き、実情を聞き取る考えを示した。地域支援の具体化が今後の焦点となる。(関連記事4面に)
 新函館北斗−札幌間は30年度末の開業を目指していたが、トンネルの難工事などを理由に鉄道運輸機構(JRTT)が30年度末開業は「極めて困難」との見解をまとめ、国土交通省の有識者会議が新たな開業見通しを検討。現時点で、完成・開業はおおむね38年度末ごろと判断した。
 新駅が設置される八雲町、長万部町、倶知安町、小樽市では駐車場整備や商業施設誘致、区画整理などの駅前開発を計画。倶知安が駅西口の駐車場形式決定を先送りにし、小樽も駐車場着工を34年度ごろに先送りする影響が出始めている。
 25日は北海道新幹線建設促進期成会が政策パッケージ作成、与党PTでの意見聴取、「仮称・経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)」での支援策などを要望。森山幹事長は「まちづくりなどの計画が全て遅れるのでは意味がない。対応できることは対応できるよう与党として取り組みを続けたい」と話した。
 ただ、延期に一定の理解を示しつつも早期開業を望む声は依然として多く、経済団体からは経済効果の発現遅れ、設備投資への影響に対する懸念が聞かれる。開業が後ろ倒しになることで事業費が増加する可能性もあり、支援策だけではなく、JRTTなどには引き続き工期短縮に努める姿勢が求められている。
 道内の関係団体からは、早期開業とともにJR北海道が構想する最高速度360qでの運転を実現させるよう望む声が浮上。従来は320qで東京−札幌間の所要時間は4時間30分を目標としていた。