秋田市の6月補正予算案が5月30日に内示された。県が同市下新城地区に整備する再エネ工業団地の南側に新工業団地を整備するため、基本計画策定経費1,965万1,000円を計上。再生可能エネルギーを扱う企業の誘致を見据える。また、企業誘致などによる工場等の立地促進を図るため、産業用地も別途、整備することとし、適地調査等に係る費用も計上。スタジアム整備では、新設とASPスタジアム改修を比較検討する業務委託経費を盛り込んだ。
市の北部地区に整備予定の再生可能エネルギー工業団地は、県が整備する再エネ工業団地の南側にある市有地で、北部墓地や飯島老人いこいの家などを除く保安林。現時点では緑地や団地内道路も含め、50haほどの開発を想定。実際の分譲面積は半分程度となる見込み。
基本計画では開発可能な面積、必要な道路、上下水道、配電などのインフラ、事業費や事業スケジュール等のアウトラインを検討。一般競争で7月には業務を公募したい考え。市は再生可能エネルギーを大量に使用する企業などの誘致を見据えており、県の第二期分譲に合わせて分譲開始を目指したい考え。
市はこのほか、企業誘致や市内企業の事業拡大による工場などの立地促進を図るため、新たな産業用地を整備する。市内を対象とした適地調査や開発手法の検討を行うため、539万円を計上した。適地調査で候補地を絞り込み、市やデベロッパーなど開発主体の検討なども行う。
スタジアムの整備では、八橋運動公園内への新スタジアムの建設と、同じ八橋運動公園内にある「スポーツPLUS・ASPスタジアム」の改修について比較検討するため、業務委託費2,636万3,000円を計上。予算が議決されれば7月上旬頃に業務を公募し、中旬の入札、下旬の委託を目指す。
ASPスタジアムの地下周辺には既設の雨水管が埋設されており、改修の際に移設することとなれば多額の費用と一定の期間を要するとの見方があり、委託する業務では整備手法や費用、スケジュールなどについて検討。市は検討結果を踏まえて年内に市としての判断を決め、県とブラウブリッツ秋田に示したい考え。
補正予算にはこのほか、楢山地区コミュニティセンターの整備方針検討経費や、社会福祉法人興和会が行う特別養護老人ホーム大平荘改築工事への一部補助金、山手台地区で行う地すべり法面の復旧工事に必要な被災住宅の曳家移転費、千秋公園の児童遊園地敷地に整備する駐車場の工事費用などを計上。
このうち楢山コミセンでは、利用者や地域住民により全4回、行われたワークショップ(WS)の最終案を4月に公表。WSの案としては平屋建て、床面積約1,000u(うち体育館部分約400u)に改築するとしている。市はWSの案をベースにさらに詳細な方針を固めたい考えで、既存の建物や土地の状況を踏まえた技術的な課題を洗い出すなどして方針を検討する。年度内には方針を固めたい意向だが、地元住民との意見交換なども行いながらとなるため、今後のスケジュールは流動的。
市が計上した6月補正予算案は、一般会計総額4億198万4,000円で、補正後の累計を1,487億9,198万4,000円とするもの。
提供:秋田建設工業新聞社