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秋田建設工業新聞社
2025/06/03

【秋田】能代市二ツ井公民館など3施設で機能集約/改築などの早期検討の要望受け

 能代市の6月議会定例会が3日に開会した。市長提案説明で齊藤滋宣市長は、二ツ井公民館、二ツ井公民館二ツ井分館、二ツ井伝承ホールの3施設について、いずれも老朽化していることから、機能集約も含めた今後のあり方を検討する方針を示した。5年12月議会の一般質問では、躯体の損傷が著しいため使用を中止している二ツ井公民館講堂の修繕は難しいとし、公民館本体も建て替えではなく機能集約を踏まえて改築を検討すると答弁している。

 二ツ井公民館(二ツ井町字下野家後49)は、昭和52年度に建設された鉄筋コンクリート造一部鉄骨造2階建て、延べ床面積2,063.82uの施設。講堂(352席)のほか、大会議室(216u)、研修室や和室などで構成されている。

 講堂はステージ上部や内壁などの広範囲で雨漏りが発生し、建物全体の損傷が著しいことから、5年5月より貸し出しを停止。ステージ関係機材など各設備も老朽化しているため、修繕は大規模になるとされていた。また、講堂の建材にはアスベストが使用されているため、工事や解体ではアスベスト対策が必要となっている。

 二ツ井分館(二ツ井町字三千苅3−3)は、平成3年度に建設された木造平屋建て、床面積534.07uの施設。集会室や会議室、調理実習室などがあり、ロビーは休憩スペースとなっている。耐用年数を超過しており、公共施設等総合管理計画の個別施設計画では、施設の廃止も含めた統廃合の検討を行うとしている。

 二ツ井町庁舎の敷地内に立地する伝承ホール(二ツ井町字上台1−1)は、民俗芸能の伝承や文化活動を推進する施設で、昭和62年度に建設された木造一部鉄骨造平屋建て、床面積999.97u規模。伝承室のほか、練習ホール(261u)、研修室(洋室・和室)、会議室などで構成されている。二ツ井分館と同様、耐用年数を超過しており、近隣にある二ツ井公民館、二ツ井分館との集約検討対象としていた。

 このような状況の中、今年4月2日に二ツ井町芸術文化協議会と講堂を利用している団体が、講堂改築などの早期検討について市に要望書を提出。厳しい財政状況のなか、全ての施設の改修などを行うことは困難として、それぞれの施設の機能が重複している部分もあることから、機能集約により効率的な維持管理を行う方針。

 齊藤市長は先月27日の記者会見でも、今年度から着工する二ツ井町庁舎の大規模改修など旧二ツ井町の各施設が老朽化していることに触れ、設備の更新時期とも重なり維持修繕費が嵩むとして「建て替えや修繕には十分な議論が必要」との姿勢を示している。

提供:秋田建設工業新聞社