横浜市都市整備局は、旧富岡倉庫地区のうち「野積場」の跡地利用に向けて基本計画を見直す。これまで誘致を進めてきた産業・研究機関だけでなく、子育て世帯をターゲットにした住宅や、生活利便施設といった複合的な用途の集積を目指す。9月ごろ改定計画をまとめ、地権者である国へ提出する予定。2026年度以降、国が民間事業者の公募手続きを実施する流れを想定している。6月9日の市会・基地対策特別委員会で報告した。
旧富岡倉庫地区は金沢シーサイドライン・南部市場駅の南側にある野積場(金沢区富岡東2丁目、面積約2・3f)と、北側にある物揚場(同区鳥浜町、面積約0・5f)で構成する。
09年に米軍から返還された国有地で、11年に市が跡地利用基本計画を策定。物揚場は港湾利用し、野積場については、産業・研究機能の導入を目指してきたが、これまでに誘致が実現していなかった。
社会情勢の変化や地域の意向、23年度に実施したサウンディング型市場調査の結果などを踏まえて計画を見直すことにした。
当日の特別委員会では都市整備局が改定の考え方を提示。駅に近い立地特性を生かし、研究施設に加えて住宅と生活利便施設の用途の導入を目指す方向性を説明した。
=26年度以降、国が事業者公募=
市の考え方に対する市民意見を6月下旬から募集した後、9月ごろに改定計画をまとめて国との協議を進める。26年度以降、用途地域の変更や地区計画の策定を見据えた都市計画手続きを進め、国による事業者の公募・契約手続きにつなげる。
現在の用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、第4種高度地区(建築物の最高高さ20b)、準防火地域に指定されている。
野積場の南側にある旧国家公務員宿舎については今回の跡地利用には含めない予定。都市整備局によると、土砂災害警戒区域に含まれているエリアがあることに加え、野積場の敷地単体で事業者を募集するほうが実現性が高いと判断したという。
提供:建通新聞社