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建通新聞社(静岡)
2025/06/11

【静岡】県内初  “多言語×VR教育” を本格導入 

 「建設の未来を体感せよ!」―仮設足場工事などを手掛けるカントビ(本社・静岡市清水区、佐藤広恭社長)は、静岡県内で初めてVRトレーニングシステム「KAT VR」による多言語対応型教育モデルを導入した。建設業界の人材育成、安全教育の一層の強化が目的。
 VR技術と外国人労働者にも対応可能な多言語教育モデルの組み合わせは、どのような化学反応を引き起こすのだろうか。(報道部=八木規公子)

 今回の導入は「足場工事業での社員教育と、人材採用の質を高めるため」のもの。安全性と技術力が求められる足場工事で、「見て覚える」から「体験して学ぶ」への教育改革を推進している。今回導入の「KAT VR」は、その一環だ。
 「KAT VR」は、360度の動作トラッキングが可能な歩行型VRシステム。現場での作業を仮想空間で再現させる。社員は高所作業・資材運搬・安全確認などの実践的な動作を、リスクなく繰り返し学習することができる。
 また、若年層への職業理解を深める取り組みでは、高校生や専門学校生を対象としたVR体験型インターンシップを2025年度から実施する予定。
 従来の「建設=危険・きつい」というイメージを払拭し、足場工事の「高度な技術力」や「チームで成し遂げる達成感」を体験を通して伝えることで、建設業界への新たな入り口を提供していく。
 さらに、外国人人材の増加を背景に、日本語だけでなくベトナム語・インドネシア語など多言語に対応した教育プログラムを導入。多言語字幕、音声ガイド付きの研修コンテンツなどにより、外国人技能実習生や特定技能者に対しても、言語の壁を越えて平等、かつ実践的な研修を提供することが可能となった。
 担当の大石雄平氏は「建設業界は今、大きな転換期を迎えている。当社では、テクノロジーと多様性を生かす人材育成で、より安全で持続可能な建設現場づくりを目指す」と話す。そして、「自治体・学校・地域イベントなどでのVR体験ブース展開や、体験デモンストレーションなども予定している」。

提供・建通新聞社