秋田市上下水道局仁井田浄水場建設室は、新浄水場を建設中の仁井田浄水場等整備事業に関し、別途発注により敷地内に建設する車庫棟・資機材倉庫棟の実施設計と、新浄水場のダウンサイジングに伴う豊岩浄水場の送水管実施設計を、それぞれ今月25日に開札する。いずれも8年度から9年度にかけて工事を行う予定。8月以降は太陽光発電設備の設計、場内整備(舗装等)の設計もそれぞれ公告し、いずれも8年度から2カ年程度で整備する計画。
同事業は、老朽化した仁井田浄水場を全面更新するもので、計画一日最大給水量は65,300㎥。能力に余力のある雄物川対岸の豊岩浄水場(豊岩豊巻字上野164)を改造してフル活用し、35,800㎥/日を処理するほか、豊岩取水場(豊岩豊巻字下川原161−7)の自家発電装置を改造してフル稼働させることで、新仁井田浄水場のダウンサイジングが可能となり、事業費の縮減が図られる。
新浄水場の建設と豊岩浄水場・取水場の改良は、鹿島・水ingエンジニアリング・日本電機興業・日水コングループが受注。5年度から開始した設計や調査業務が6年度に完了し、6年8月から工事を開始した。現在は管理棟の建築などを推進。
また、別途発注工事として、仁井田浄水場に水を引き込むための導水施設および取水施設新築を戸田・加賀屋建設工事JV、豊岩浄水場の粉末活性炭棟新築を山建開発で進めている。
今回、実施設計を委託する車庫棟・資機材棟は、受注グループが施工中の新管理棟北側に鉄骨造平屋建てで建設。車庫棟は床面積約210uで、小型ローダー、浄水課の車両、浄水課が所管する豊岩浄水場水質管理室の車両など、計9台を格納。資機材倉庫棟は床面積約220uで、管材のほか、維持管理に必要な備品などを収納する。車庫棟、資機材倉庫棟いずれも8年度から9年度にかけて工事を行う予定。
同じく25日に実施設計を開札する豊岩浄水場の送水管は、雄物川から浄水場に導水した水を豊岩浄水場で処理した後、送水ポンプから場外の豊岩配水池に送水するもの。延長は420.8mで、管径400mmのダクタイル鋳鉄管を予定。現在、豊岩には仁井田浄水場でつくった水を送水しているが、仁井田がダウンサイジングするため、その分を豊岩でカバーする。送水管の布設工事には8年度中盤から着工、9年度までかけて整備する。
今後は、新浄水場への太陽光発電設備設置、場内整備(舗装、フェンス、側溝)に関する設計をそれぞれ8月以降に委託し、いずれも8・9年度の2カ年で整備する。事業における工事の最盛期は令和8年度となる見通し。
新浄水場が完成した後は、既存浄水場の取水・導水施設や処理施設(建物含む)を撤去するが、工事発注時期などは現時点で未定となっている。
提供:
秋田建設工業新聞社