愛媛県は、6月補正予算案のうち、病院事業会計に県立今治病院の建設推進事業費として865万円を計上した。設計・施工一体方式(デザインビルド=DB方式)による整備を目指しており、予算成立を受けて、仕様書の作成や事業者選定作業を進める。また整備事業費について、2026年度から30年度までの5年間の支出見込みとして限度額218億3572万円の債務負担行為を設定した。
築40年を超える現病院の老朽化対策として、今治新都市第2地区(今治市しまなみの杜1ノ2)に移転・新築する。23年11月に基本計画を作成し、24年度に入ってDB導入アドバイザー業務を進める一方、建設地の地質調査などを行っていたが、建設費高騰や医師・看護師不足など病院経営の悪化を理由に、25年度当初予算での事業費計上を見合わせていた。その後、今治市や地元医師会などの支援を受けて、5月末までに基本計画を見直し事業を再開することにした。
基本計画の見直しでは、当初計画の240床から215床に減らすなどし、総事業費を218億3572万円としている。24年度に実施したDB導入アドバイザー業務は、野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー(東京都千代田区)を代表者とする野村ヘルスケア・長大共同企業体、建設地の地質調査は松山地下開発(松山市)がそれぞれ担当した。
今後は仕様書の作成を急ぐ一方、医療・建築の専門的知識を有する外部有識者を含む整備検討会を設置・開催して事業者の募集・選定手続きを行っていく。順調なら25〜26年度の事業者選定(入札・契約)と26年度の基本・実施設計着手、28年度の着工、30年度の完成を目指す考え。
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建通新聞社