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滋賀産業新聞
2025/06/16

【滋賀】野洲市 JR野洲駅南口周辺の整備

 野洲市は、野洲駅南口周辺整備構想について改訂を行う。にぎわいと活力にあふれた駅前地域を創造するための同構想は策定から10年以上が経過しており、社会情勢、市民ニーズの変化や課題を踏まえ、現構想および計画を再検証。今年度に現構想の更新すべき点を整理し、市の事業趣旨および事業の目的を汲んだ構想とする。改訂後、来年度には基本計画を策定する予定。
 構想対象範囲は、JR野洲駅南口周辺市有地(同市小篠原/約2万6100平方b〔周辺道路を除く〕)。5つの街区(A〜Eブロック)で構成される。各街区の土地面積・利用状況は▽Aブロック(約5400平方b)=仮設ロータリー跡地▽Bブロック(約4500平方b)=暫定駐車場、学童保育所、JA▽Cブロック(約2000平方b)=交番、公衆トイレ、駐輪場▽Dブロック(約1万0900平方b)=野洲文化ホール、野洲文化小劇場、野洲幼稚園▽Eブロック(約3300平方b)=駐車場、自治会館、消防団詰所―。B、Eブロックの一部については、隣接するJAレーク滋賀野洲支店と土地交換に係る協議を進めており、形状および面積に変更が生じる。野洲文化ホールについては、大規模改修工事に係る設計業務を水原建築設計事務所(彦根市)で実施中(履行期限は9月30日の予定)。
 想定する導入機能・コンセプト・用途例(施設等)は▽市民広場(必須機能)=人と人との出会いが生まれる場としての市民広場▽交流施設=人と人との出会いを促す場としての交流施設(コミュニティセンター、観光物産案内所、子育て支援施設)▽図書館分室=駅前の特性を活かした質の高いサービスが享受できる図書館分室(ブックポスト、ブックカフェ)▽商業サービス=心と体の健康に関連する商業サービス(飲食関係施設、小売・販売施設、宿泊施設)▽文化・スポーツ施設=多目的に利用できる屋内空間(ホール、スタジオ、アリーナ、ギャラリー)―。市民広場については、市の方針として必須機能と想定しているが、その他の機能については、現構想を基に例示したもので同内容に固執するものではないため、求められる機能として考えうる内容(企業のオフィス拠点等)も検討する。
 野洲駅南口周辺整備構想改訂支援業務の受託者は、6月5日付2面で報道の通り、公募型プロポーザル方式により選定。選定業者への委託期間は、26年(令和8年)3月27日まで。
 同業務の終了後に想定する事業スケジュール(別途発注予定業務)は▽26年度(令和8年度)=改訂後の構想に基づいた街区ごとの整備計画の策定等▽27年度(令和9年度)=事業計画検討等―。
 野洲駅南口周辺整備を巡っては、市が昨年7月4日、官民連携事業における基本協定を、サンヨーホームズ梶i大阪市西区)と締結。事業協定および事業契約の締結に向けて協議を進めていた。その後、市長選挙にて、マンションやホテルを建設する同社(連携事業者)の計画に異を唱え、駅前市有地は売却せず、市民が楽しめる芝生広場とモール・野外ステージを備える「(仮称)駅前パークモール」の整備を公約に掲げ、当選した櫻本直樹市長が10月31日に就任した。
 今年3月3日、それまでの計画を変更し、市長公約を踏まえた折衷案として、連携事業者から変更提案が提示され、4月25日には市の意向に最大限寄り添った提案として提示があったが、いずれも「民間(アサヒビール梶jから購入した土地は売却しない」および「マンションは建設しない」という市の整備方針を満たせていない内容だった。
 再々提案の内容が市の整備方針と不整合であること、また過去の協議経緯を踏まえ、市では今後、事業協定および事業契約の締結に至る可能性がないと判断。5月29日に連携事業者の本社へ市長が訪問し、協定終了の意向を伝えた。

提供:滋賀産業新聞