県は、交付金事業(河川)により実施中の夏井川改修で、2023年の浸水被害を踏まえて事業区間を追加。これに伴い全体事業費を修正するなど計画の変更を県公共事業評価委員会に諮った。いわき市内郷地区の市街地を流れる支川・新川と宮川で、交付金事業として計6900mを追加して実施。26年度から改修に着手する方針。見直し後の事業費は685億4000万円となる。
夏井川の改修は1974年度採択。「事業継続」とされた前回(24年度)事業評価時の計画は、全体事業費505億4000万円、改修延長4万7791mで、これまでにいわき市の新川下流7500mと田村市の梵天川2200mが概成。仁井田川、赤沼川、原高野川、三夜川、小玉川が暫定改修済みとなっており、小野町を流れる右支夏井川では、ネック部となっているJR橋上下流が一部概成、小野町役場付近から下流で築堤と河道開削を行っている。
また夏井川本川では、令和元年東日本台風被害を受けて、再度災害防止のため新川合流部から上流1万4900m区間で、27年度の完了を目指して災害関連事業による改良復旧が進められている。
計画の見直しで、新川の整備済み区間から上流部3900mと、宮川の3000mを事業区間に追加する。両河川では23年(令和5年)9月、台風13号に伴い発生した県内初の線状降水帯の影響で、河川からの越水や内水の氾濫により沿川住家に甚大な浸水被害が発生したことから、浸水対策検討会を設けるなどして対応を探ってきた。具体的な改修計画が固まったことから、計画変更の上、改修を実施する。河床掘削、護岸工、河道拡幅のほか橋梁の架け替えも行う。
計画変更により全体の事業延長は5万4691mとなる。県は、整備済みの新川下流、夏井川との連続性を踏まえて、両河川の整備を優先的に進めていく方針。
(提供:福島建設工業新聞社)