秋田市上下水道局は、大雨で道路冠水などの被害が頻発している同市新屋比内町、沖田町で雨水浸水対策を行う。整備案を検討するため、雄物川左岸第二・一地区の浸水被害軽減計画策定業務を早ければ7月に公告。下水道計画の変更などを経て、8年度以降に地質調査や設計業務を委託する。整備案の検討では、ポンプの設置、周囲に複数あるため池を改良して雨水を貯留する案、管渠を新設する案など、複数案を検討する予定。
JR羽越本線・新屋駅を右手の西部体育館方面に向かい、豊岩踏切の手前を右折したところに新屋比内町の住宅地がある。低地で周辺からの雨水が集まりやすく、比内町に集まった雨水は下水道管でJR下を渡って東側の新屋沖田町にも流れ、西部体育館そばのボックスカルバートを通って1,350mmの雨水管に排水されている。大雨の際に流入する水量が、比内町や沖田町を通る既設下水管の排水能力を超過し、浸水被害が発生していると見られている。
浸水被害の軽減に向け、今年度は浸水被害軽減計画の策定業務を7月以降に委託。シミュレーションによる浸水原因等の解析を行ったうえで、効果的な浸水対策の検討を行い、年度内の計画策定を目指す。必要な施設や規模は計画策定後に確定するため、現時点で具体的なスケジュールは未定だが、8年度以降に地質調査や設計業務に着手する予定。下水道計画の変更など、法に基づく手続きも必要なため、一般的には着工まで4〜5年の期間が必要と見られる。
このほど開かれた市議会の一般質問で、工藤潤平議員(自民)が同地区の浸水対策における課題や着工までの期間、地域住民への影響などを質した。浸水対策工事を実施する場合、新屋駅に通じる道路や地域の主要道路で車両通行止めなどの交通規制も予測されるため、市は短期間で行える工法を選定するとともに、地域住民との連携を密に行う方針。
提供/秋田建設工業新聞