北陸地方整備局と富山県建設業協会との意見交換会が18日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、工事書類スリム化ガイドの遵守などに関し議論を交わした。
整備局から高松諭局長、信太啓貴企画部長、勝見康生建政部長、桜田由香里営繕部長ら13人、協会から大橋聡司会長、高尾道明・上田信和・開章夫の各副会長、常任理事ら18人が出席した。
冒頭、あいさつした高松局長は、「今年度の直轄予算は例年の倍程度。他の整備局から約40人の支援を頂き進めている。6日に国土強靱化実施中期計画が閣議決定された。今後5年間に概ね20兆円強程度を目途とし、資材価格や人件費高騰の影響は予算編成過程で適切に対応していく。安全・安心な生活のため、我々も必要性を訴え、計画的に予算を執行したい」と述べた上で、「建設業では担い手の確保、働き方改革の取組を進めることが喫緊の課題。昨年6月に北陸けんせつミライ2025を策定したが、直轄の取組を県や市町村にも理解していただき、民間の方々にも広めたい」と語った。
大橋会長は、「今年度から、設計単価と現地取引価格の乖離の設計変更が試行される。最大級の感謝と敬意を表したい。地域建設業における最大の課題は担い手の確保だが、まだまだ魅力ある産業に至っていない。新4Kを実装し定着することで、エッセンシャルワーカーの地位を確立し、社会に認識してもらえるよう取り組む。建設業が発展し適正な利潤を得て、働く人達の環境がより魅力的になる好循環を作りたい」と話した。
意見交換の中では、協会側が外国人建設技能者の技能実習制度が27年度に見直され、育成就労制度として創設されることに関し、「特定技能1号から2号になるには、合格率約10%をクリアする必要がある。せっかく育った技能者であり、2号で働いてもらいたいが、レベルが高すぎる」と指摘。局側は実情を確認した上で「問題意識を共有したい」と伝えた。
工事書類のスリム化ガイドの改訂にあたり、協会側が「どのような形で意見を集約するのか」と質問。局は「受注者、経営者、発注者の声を聞く。方法はこれから検討したい」と回答。さらに、協会が「発注者が作るべき書類を、受注者に作成させる事例がいまだにある」と報告。局は「発注者が書類の作成を依頼した場合は、こちらが費用を支払うことになっている」と説明した。
総合評価方式について協会側が「優良工事表彰の加点と比べ、地域貢献度や本店所在地の配点が低い。バランスはどうなのか」と説明を求め、局は「実施計画は総合評価審査委員会で決めることになるが、データを注視していきたい」と理解を求め、「企業能力評価型では技術者の点数は加味されない。それらを採用していくことも選択肢」と回答した。