さいたま市は岩槻区平林寺97−1に設置されている産業廃棄物焼却施設を行政代執行で解体するため、6月補正予算案に2カ年継続費6億188万7000円を組み込んだ。工事規模から契約は議会案件に当たり、一般競争入札を想定。12月議会後をめどに本契約を結べるよう発注時期を調整する。契約後、2026年度内に解体を終える見通しだ。
同施設は綾瀬川沿いに位置し、1990年に設置されたもの。所有者の産業廃棄物処分業許可が取り消され、競売により土地所有権が移転した後も解体・撤去されることなく放置されていた。
煙突下部の腐食が進行して強風や災害時に倒壊の危険がある点、煙突などから特別管理産業廃棄物に相当する有害物質が検出されていることなどを踏まえて、行政代執行で市側が解体工事を発注する運びとなった。
焼却施設は煙突部の高さは最高35mで、口径が直径3・3m。そのほかスクラバーやサイクロンが設置されている。これらを解体しつつ、半地下部にある焼却炉も一部を撤去。施設が倒壊して綾瀬川に有害物質が流れる危険がないよう、現敷地が安定勾配になるまで解体を進める。
周辺にダイオキシンや重金属などの飛散を防止するため、現場をテント状に囲うなどの安全策を施しながら施工する必要がある。実際の工法は解体施工者と調整して決定する格好となる。
提供:埼玉建設新聞