長岡京市はこのほど、第4次総合計画第3期基本計画の中間案を公表した。
総合計画は、長期的な展望の下に市政のあらゆる分野を対象としたまちづくりの指針で、市の各種行政計画の中で最も上位に位置するもの。市では平成28年4月から第4次総合計画が始まり、「住みたい 住みつづけたい 悠久の都 長岡京」を目指し、各種の施策に取り組んでいる。第4次総合計画第2期基本計画の目標年度が令和7年度までとなることから、現在、第3期基本計画(8〜12年度)の策定を進めている。
計画案では、分野と施策の体系を設定し、5年後の目指すべき状態像に沿った取組を実施する。
主な内容をみると、就学前教育・保育の施策は施設・環境の充実など。目指す5年後の姿を施設の安全・快適性が保たれ、こどもが安心して過ごしているものとする。
主な取組は、深田保育所の建替整備を進める。
学校教育について、主な施策は学校施設の整備など。目指す5年後の姿を学校の良好な学習環境と安全・快適性が保たれ、地域住民の集いの場や災害時の避難所としても機能しているものとする。
主な取組は、小中学校の体育館・武道場の空調整備に続き、普通教室の空調を更新する。長岡第三小学校の建替整備を進め、老朽化が進む学校を対象に整備や長寿命化の方針を具体的に定める。快適な学校生活を送れるよう、校内の施設・設備をきめ細かく整備し、学校施設における環境への取組の一環として、緑化やLED化を進める。
地域子育て支援についての主な取り組みは、放課後児童クラブの整備と民間との連携を進め、学校敷地内に立地する市の特長を活かしてサービスを提供する。
セーフティネットについての主な取組は、公営住宅の長寿命化。
協働についての主な取組は、地域集会所の老朽化対応やバリアフリー化など。
生涯学習・文化・スポーツについての主な取組は、図書館・中央公民館・長岡京記念文化会館のエリアは京都府と連携し、市域の文化ゾーンとしてリニューアル整備を進める。
市街地について、施策は@中心市街地整備の推進A調和のとれた都市形成。
@中心市街地整備の推進について、目指す5年後の姿を「ひと中心のにぎわいのあるまち」をコンセプトとした阪急長岡天神駅周辺のまちづくりが進展しているものとする。
主な取組は、阪急長岡天神駅西地区は土地の高度利用を図り、駅前広場やにぎわいのある都心拠点の整備に向けた計画を地域と連携して具体化する。阪急長岡天神駅東地区は、連続立体交差化を目指し、土地の取得や補助幹線道路の整備などを段階的に進める。JR長岡京駅東口や市役所の市民広場など居心地の良い公共空間の整備により、にぎわいと魅力ある中心市街地をつくる。
A調和のとれた都市形成については、目指す5年後の姿を住・工・商・農の調和がとれたうるおいのある都市空間が形成されているものとする。
主な取組は、市域全体の土地利用の適正化に向けた取組を進め、経済振興や事業所の集積・流出防止を図る。今後増加が予測される管理不全の空き家について、情報発信と行政プラットフォームや空き家バンクを通し、未然防止と利活用を促進する。マンション管理組合に対して、管理計画の認定や専門家の派遣などを行い、マンションの適正な維持管理を支援する。
道路・交通について、主な施策は道路空間の整備。目指す5年後の姿は、歩車道の維持と整備、バリアフリー化が進んで、道路空間の安全性と快適性が向上しているもの。
主な取組は、長岡京駅前線の整備や御陵山崎線の整備を進め、通学路の歩道整備や交差点の改良など安全対策を進める。生活道路は計画的な舗装復旧や歩行空間を確保し、バリアフリー化を進め、橋梁の長寿命化を推進し、適切に維持管理する。
防災・安全についての施策は@都市防災機能の向上A安全・安心な地域づくりなど。
@都市防災機能の向上については、目指す5年後の姿を地震・浸水等の被害から市民の生命・財産を守る防災・減災の対策が図られているものとする。
主な取組は、いろは呑龍トンネル整備に合わせた接続工事と、神足雨水ポンプ場など犬川の浸水対策、下水道管路施設の老朽化対策・耐震化に向けた長寿命化。また避難所生活におけるQOLの向上に努め、学校の空調設備、災害時応急給水栓、生活用水を確保するための井戸の整備に取り組む。防災重点農業用ため池の防災・減災対策を進め、住宅や建築物の耐震診断・耐震改修を支援する。東ポンプ場跡地等を活用し、小畑川以東の防災対策に取り組む。
A安全・安心な地域づくりについて、目指す5年後の姿を防犯・交通安全など、毎日の暮らしの安全・安心を共につくる地域の力が保たれているものとする。
主な取組は、府と連携し、通学路の歩道整備や交差点の改良など安全対策を進める。
脱炭素・環境共生についての主な取組は、西山産の間伐材等を公共建築物等へ利用し、木材の地産地消を通して脱炭素社会の実現に貢献する。
都市空間についての施策は@魅力的な公園の整備A良好な景観の保全。
@魅力的な公園の整備は、目指す5年度の姿をこどもが思いっきり遊べる快適な公園で、多くの人が憩い、癒されているものとする。
主な取組は、長岡公園の第二期整備、長法寺南原古墳の活用を視野に入れた西山公園の整備、公園施設の長寿命化を図るとともに、誰もが安心して利用できるインクルーシブ公園の整備、みどりのサポーターや地域住民と協働で、公園の緑化や環境美化など。
A良好な景観の保全は、目指す5年度の姿を西山から市街地へ緑の流れが活かされた、うるおいあるまちのたたずまいが未来に引き継がれているものとする。
主な取組は、「長岡京市景観計画」に基づき、市民・事業者と協議しながら、地域特性に応じた景観と調和する都市形成を進める。道路・公園・河川・建物などの整備では、計画段階から景観の視点を持ち、空間的・時間的な連続性・一体性を考えた良好な景観形成をけん引する犬川遊歩道は、自然環境と調和し、景観に配慮した整備を進める。
水資源についての施策は@水の安定供給A下水の適正処理など。
@水の安定供給は、目指す5年後の姿を安全で良質な水道水が、安定的に供給されているものとする。
主な取組は、将来にわたり、安全な水を安定的に供給できるよう、府や受水市町と連携しながら、水道事業の広域化について協議する。また、老朽管路更新基本計画を見直しながら、材質(管種)や埋設場所の土質などを踏まえて優先順位を決定し、計画的に管路の更新を進める。
A下水の適正処理は、目指す5年後の姿を下水道施設・設備の更新が着実に進み、下水の適正な処理によって、公共用水域の水質が保全されているものとする。
主な取組は、府と連携したウォーターPPPの導入や効果的な執行体制の確保など、持続可能な下水道事業のあり方を検討する。また、下水道管路施設の老朽化対策・耐震化に向けた長寿命化を進める。
安定した行財政運営についての主な施策は、安定した財政運営と資産の有効活用など。目指す5年後の姿を限られた財源を効果的・効率的に活用し、安定した財政運営が進められているものとする。
主な取組は、金利負担の上昇を見据え、投資的経費の平準化のほか市債発行の多様化等により、公債費負担の抑制を図る。市庁舎の完成等に伴い未利用となる公共施設の効果的な活用に努め、公共施設全体の機能再編を進める。アセットマネジメントを推進することで、長期的な財政負担の軽減を図り、施設跡地など遊休資産を計画的に活用する。