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建設経済新聞社
2025/06/23

【京都】京都府営水道の事業評価部会 広域化施設整備事業を再評価 木津浄水場高度浄水処理施設は事前評価へ

 京都府は20日、府営水道事業経営審議会の第1回事業評価専門部会を開催。広域化施設整備事業に係る事業再評価を行った。
 広域化施設整備事業は、受水市町(宇治市、城陽市、八幡市、久御山町、京田辺市、木津川市(旧木津町域)、精華町、向日市、長岡京市、大山崎町)から要望された水量(23万6800m3/日)をもとに、水源確保と浄水場整備を行い、併せて浄水場間を接続して相互応援を可能とするとともに、受水市町の需要量の増加や供給の安定性等に対応するため、第2分水施設を整備するもの。その事業費は水道料金として府民負担に反映されることから、水需要の動向を考慮しながら段階的に整備を進めている(事業年次は昭和62年度〜)。主な事業内容は[水源確保]ダム建設事業への利水参加におる安定水利権確保(利水負担)(天ヶ瀬ダム再開発、日吉ダム、比奈知ダム)、[施設整備]▽浄水場の整備(乙訓浄水場の新設(分水施設整備含む)、木津浄水場の拡張)▽浄水場間の整備(連絡管の整備、久御山広域ポンプ場の整備)▽第2分水施設の整備。総事業費は1122億2000万円(施設整備610億2000万円+水源開発512億円)。
 水源確保とともに、施設整備(乙訓浄水場の新設、木津浄水場の拡張)、浄水場間の整備は完了。残事業は、城陽市第2分水施設の整備で、主な内容は分水管路(口径300o、延長約3q、山城大橋添架、開削、推進)、分水施設を予定。
 事業の進捗見込みによると、残事業の城陽市第2分水施設については、木津川横断を行うため、山城大橋架替工事に併せて分水管路の一部を整備している。
 分水管路は、城陽市と協議の上、布設ルート案を検討し、城陽市第2分水施設整備計画を策定した。今後、その計画に基づき、東部丘陵地開発や市の水道施設整備等の進捗状況に合わせて整備していくこととしている。
 城陽市第2分水施設は、木津川右岸に位置する城陽市南西域に新たな分水施設を整備する計画であり、左岸に布設されている府営水道送水管(幹線)から分岐し、一級河川である木津川を横断する必要がある。河川を横断する管路の布設工法は、@橋梁添架A水道管B非開削工法(シールド工法等)があり、山城大橋架替工事を捉えて、他の横断工法と比較して最も安価となる橋梁添架を採用している。
 第2分水施設の整備にあたっては、山城大橋添架により木津川を横断し、管路工事を行うことが最良とした。
 管路布設ルートは、実現可能な複数案を抽出し、最も安価なルートを選定している。また管路工事においても、掘削により発生した土を埋戻土に再利用するなど、引き続きコスト縮減に努めながら事業を推進するとした。
 城陽市第2分水整備について、工事中の施工時間帯に配慮しながら、生活環境への影響を最小限に抑制していくとした。
 広域化施設整備事業の総合評価案として、残る第2分水施設は受水市町と受水時期を協議しながら、計画的に整備を行い、9市町が完成している。残る城陽市第2分水施設の整備については、東部丘陵地開発や市の水道施設整備等の進捗状況に合わせて、着実に整備していくこととしているため、事業進捗に問題ないとした。
 城陽市では、東部丘陵地のまちづくりの整備を段階的に進めており、当該地域の開発に伴い新たな水需要が見込まれ、土地利用に必要な上水道施設等のインフラ整備が必要不可欠であることから、城陽市からの要望を受け、第2分水施設の整備が必要とした。
 事業効果については、前回評価(平成22年度)から総費用は増額しているが、費用便益比が1・0を上回るので、事業の効率性は確保できている。また残事業(城陽市第2分水施設の整備)の費用便益比についても1・0を上回るので、残事業の効率性は確保できている。さらに残事業は、城陽市域の需要に対して、複数水源が確保されることとなり、給水の安定性が向上するため有効であるとした。
 今回(基準年・令和6年)の総便益229億0170万円、総費用9404億円で費用便益比は24・4と算出。残事業については、総便益29億円、総費用14億円で費用便益比は2・1と算出した(社会的割引率4%で算出)。
 総合評価として、事業を継続する必要があるとした。
 なお府営水道では、木津浄水場において、取水する河川水のかび臭原因物質が増加するなど異臭味リスク等が高まっていることから、高度浄水処理導入に向けた取組を推進するとしており、今後見込まれる事業として「木津浄水場高度浄水処理施設」を挙げ、事前評価する予定。