神奈川県は、老朽化した県立都市公園の施設の在り方を検討する。県民のニーズの変化を踏まえて時代に即した施設とすることが求められるとし、本年度は最も開園時期が早い三ツ池公園(横浜市鶴見区)でワークショップを行う。老朽化とともに利用者が減少しているプールなどの在り方について、学識経験者も含めた参加者と意見交換してニーズを把握する。
県立都市公園は現在27カ所。施設の多くが老朽化しており、遊具やテニスコートなど全体で約50施設が更新時期を迎えている。6月19日の第2回定例会の代表質問で鈴木ひでし氏(公明党)が県立都市公園の施設の在り方について質問した。
鈴木氏は三ツ池公園のプールを取り上げ、老朽化に伴う漏水などの不具合が発生するとともに、利用者が1992年のピーク時に比べて3分の1程度に減少していると説明。「公園利用に対するニーズの変化に対応しきれていない施設もある。更新時期を迎えた施設は用途を変更することも含めて在り方を検討するべきだ」と述べた。
黒岩祐治知事はこれに対して「公園の魅力を高めるためには、多様化する県民のニーズを捉え、時代に即したものにする必要がある」と答弁。本年度は三ツ池公園で「イノベーションワークショップ」を開催し、老朽化したプールの在り方などについて意見交換するとした。ワークショップの開催時期や内容は今後検討していく。
三ツ池公園のプールは25bプール(面積約375b)と幼児用プール「カエル」(約153平方b)、「スワン」(約146平方b)がある。
誰もが一緒に遊べる遊具を備えた広場「ともいき広場」の整備も検討する。黒岩知事自らが命名したともいき広場は相模原公園(相模原市南区)が初めての事例で、2026年3月末の完成を目指して整備を進めている。面積約3800平方bの広場に複数の遊具を整備する計画。遊びの種類や難易度に合わせてエリアを分けて遊具を配置したり、車いすに乗ったままでも楽しむことができる遊具も取り入れたりするなど、障害の状況や程度に関わらず利用できる広場として整備する。
黒岩知事は「この取り組みを他の公園にも広げていく」と話した。
提供:建通新聞社