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建通新聞社(静岡)
2025/06/25

【編集】中部i―Con研究会 駿府学園でICT講座 

 中部i―Construction研究会(事務局・国土交通省中部地方整備局施工企画課)は6月23日、静岡市葵区の少年院「駿府学園」で、建設業への就労を希望する在院者11人を対象としたICT施工に関する講座を開いた。さまざまな測量手法や重機の遠隔操作に関する講座や測量体験を行い、在院者の建設業への興味関心を高めた。
 日本建設機械施工協会会員で中部i―Construction研究会の会員でもあるシーティーエス(長野県松本市)の中山俊彦執行役員甲信営業部長が「ICTを活用した測量技術」について講演した。設計図面通りに正しく工事を行うためには測量が不可欠であることを説明。その手法としてトータルステーションや地上型レーザースキャナー、UAVなどさまざまな方法があることを伝えた。
 地上型レーザースキャナーで取得したナゴヤドーム内部の3次元点群データを示して、ホームベースから1塁までの距離をパソコンで測り「これが新しい測量のやり方。点群データを1度取れば、あとから必要な情報を取り出せる」と利点を話した。
 続いて、重機の遠隔操作技術を描いた短編映画「LOADING…」を視聴。VRゲームに熱中する若者が、土木工事業を営む祖父の現場を訪れて重機の遠隔操作を体験する様子を通じて、現代の建設業の魅力を伝えた。
 一部のタブレット端末に搭載されたLiDAR(ライダー)スキャナーを使った3Dモデルの作成体験も実施した。
 駿府学園では、2024年度の仮退院者のうち、就職した24人の半数が建設業に進んだ。建設業への就労を希望する関東甲信越の在院者を集め、22年度から2週間の「建設業関連資格集中取得講座」を年に複数回開いており、今回のICT講座はこの一環で行った。
 受講者のひとりは、講師らに感謝を述べつつ「最新技術を説明してもらい、特にLiDARスキャナーの体験はとてもためになった。建設業の仕事に就いたときに活用したい」と話した。

(提供:建通新聞社)