滋賀県は、農地防災事業として計画している県営月輪大池地区緊急防災工事について、9月頃までの実施設計業務発注に向け、関係機関との調整を進めている。
委託期間は未確定ではあるが、12ヵ月以上となる可能性があるとのこと。また、今年度発注を計画している土質調査及び測量業務は実施設計委託後に本格的に発注時期の協議を進めていく模様。次年度に繰り越す可能性も浮上している。
その後については、令和8年度から堤体工を4ヵ年程度かけて実施し、令和9年度に取水工、令和11年度に洪水吐工を行い完成させる考えではあるが、上述した委託業務の発注時期次第ではスケジュールの変更が生じる可能性がある。
大津市月輪4丁目地内にある同池は、市北西側に位置する農地の要水源として重要な役割を果たしている。しかし、ため池下流には住宅地が広がっているため、安全確保の観点から過年度に耐震調査を実施。結果、強度が不足しており地震時に堤体が決壊する恐れがあることが判明。加えて、取水施設の緊急放流施設能力も有していないため、早急に改修を行い、被害を未然に防止する必要があることから今回工事を進めていくこととした。
計画内容を見ると、事業別面積は土地利用区分、田(5・3f)・畑(0・1f)―の計5・4f。計画かんがい方式は、水田・湛水かんがい。計画用水系統は、自流域からの流入のみ。農地へのかんがい用水は、下流地域の農業用用排水路(開水路)を通じて取水されている。
工事内容を見ると、堤体工のなかで、のり面保護工として堤長約310bに対し上流側は張りブロックを、下流側に6180平方b程度の張芝を施す。また、耐震対策として断面改修・遮水ゾーン整備を行う。
なお、事業費は7億6230万円程度を想定。
提供:滋賀産業新聞