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秋田建設工業新聞社
2025/06/25

【秋田】秋田市、八橋汚水中継ポンプ場の改築基本構想を委託へ/老朽化対策、耐震・耐水化などの課題解消

 秋田市上下水道局は、八橋汚水中継ポンプ場(八橋本町6−12−15)の改築基本構想を策定するため、7月または8月に業務を公告する予定。もともと終末処理場として稼働していたが、県秋田湾・雄物川流域下水道臨海処理区との機能統合に伴い、2年度に終末処理場としての機能を停止し、現在は汚水中継ポンプ場として稼働している。老朽化に伴う更新、耐震化、耐水化、休止施設の利活用といった課題に対応するため、効果的な整備を目指し構想を策定する。

 八橋汚水中継ポンプ場は、晴天時の計画時間最大汚水量26.32㎥/分、雨天時の能力が287.5㎥/分の合流式ポンプ場で、1系・2系で構成。昭和54年に建設された管理本館棟が鉄筋コンクリート造(杭基礎)3階建ての約5,000uで、管理本館の地下に1系沈砂池がある。

 2系沈砂池は昭和45年、地下に整備され、平成7年にはその上部に2系沈砂池脱臭棟(S〔杭基礎〕2F4,170u)が建設されている。このほか、2系沈砂池から流れてきた汚水をポンプアップしている2系のポンプ室(旧管理棟)が昭和43年に建設された鉄筋コンクリート造3階建て、延べ床面積1,160u(B1F)、昭和45年に整備された塩素混和池などが稼働している。

 設備は汚水ポンプが2系統9台(bP〜bT、bP〜bS)あるほか、沈砂池、沈砂池掻揚機、電気設備(制御盤など)なども稼働している。

 稼働開始後、約50年にわたり秋田駅西側区域の約830haの下水処理を行ってきたが、令和2年度に県の秋田湾・雄物川流域下水道臨海処理区と秋田市単独公共下水道八橋処理区が統合されたことで終末処理場としての役割を終え、現在は中継ポンプ場として秋田臨海処理センターに汚水を送っている。

 昭和40年代・50代に整備され、施設・設備いずれも老朽化が進んでいる。平成17年には耐震診断を実施したが、地下構造物の耐震性も確保する現行の基準に合わせるため、令和4年度に再度、耐震診断を委託。5年度には施設・設備の長寿命化を目的とした点検調査・修繕改築計画策定業務も委託している。

 来月以降に委託する改築基本構想策定では、これまで実施した診断や計画策定も踏まえ、老朽設備の更新、耐震化、耐水化、休止施設などの課題に対し、施設や設備の現状を把握したうえで整備方針や整備スケジュールなどを検討し、整備構想をまとめる。

 また、ポンプ場には処理場時代に処理設備として稼働していた休止施設・設備(エアレーションタンク、最初沈殿池、最終沈殿池など)が点在し、稼働中の施設と混在しているため、解体などのあり方も検討し、運営の効率化も図りたい考え。

提供:秋田建設工業新聞社