京都市は、特急はるかのJR山科駅への延伸を見据え、山科駅周辺を「京の東の玄関口」として拠点性を強化する取り組みを進める。
山科駅を巡っては、西日本旅客鉄道梶iJR西日本)と京都市が令和6年11月に共同会見を開き、ホーム新設など山科駅改良を発表。主な整備内容は、▽山科駅北側に12両対応のホームを1面新設及び柵内コンコース及び跨線橋の延伸、エスカレーター及びエレベーター整備▽特急はるかが山科駅で停車・折り返し可能となるよう配線を変更。JR西日本は、令和7年度に山科駅改良工事に着手し、11年度の供用開始を目指す。供用開始にあわせて、京都駅発着の特急はるかを山科駅に延伸する。
また市は令和7年3月に『meetus(ミータス)山科−醍醐「みんなで創るまちPLAN』を発表。まちづくりの具体策として、@山科駅周辺を人々が行き交う玄関口へAラクトに遊びと学びの拠点を設置B椥辻駅〜東野公園一帯を憩い・文化の集積ゾーンへ(〜人々が集い、学び、活動できる居心地の良い場づくり〜)C醍醐駅周辺を多世代の居場所へD東部クリーンセンター跡地を学び・交流・憩いの場へ(〜公民連携により大規模公有地が文化・教育のまちの拠点に生まれ変わる〜)Eワクワクが溢れ、夢中になれる、学びの場を充実F子どもの居場所や体験機会の充実G住まいの選択肢の充実H持続可能な交通−を示した。
同PLANにおいては、STEP1、2、3から成るロードマップを示した。STEP1(令和7〜9年度)は[JRの特急はるか延伸を契機とし、山科駅周辺の賑わいづくりを検討](▽主な具体策の進捗…栄桜小中学校の開校(令和7年4月)、市営住宅の空き住戸の多様な活用、東野公園の遊具の更新・充実、STEP2(令和10〜12年度)[時代に合わせた公共施設のバージョンアップ](▽主な具体策の進捗…山科駅の改良による特急はるかの山科駅への延伸、元ラクト健康・文化館の活用開始、パセオ・ダイゴローのリニューアル)、STEP3(令和13年度以降)[大きな公有地がまちの拠点へ。多様な住まいを順次提供。住まいの選択肢が充実し、学びがあふれ、居場所が充実した文化・教育のまちへ](▽主な具体策の進捗…東部クリーンセンター跡地の活用開始、山科区役所の再整備、石田駅周辺の市営住宅の団地再生)。
山科駅周辺の活性化については、山科駅の改良による特急はるかの山科駅への延伸を見据え、賑わいを創出し、利便性を向上させるため、山科駅周辺の土地の有効活用を検討。JR西日本と連携し、山科駅を中心に山科らしさを取り入れたデザインを検討していく。
「歩くまち・京都」取組推進
地下鉄四条駅エレベーター新設など
京都市交通局 市は、このほど開催した「歩くまち・京都」推進会議に令和7年度の主な推進項目を示した。
ハード関連の主な内容をみると、▽〈京都市交通局〉地下鉄烏丸線可動式ホーム柵の全駅設置(令和7年度は設計を実施、12年度までに全駅で供用開始予定)▽〈京都市交通局〉地下鉄四条駅の阪急連絡通路へのエレベーター新設(長年の懸案だったエレベーターについて構造等を見直すことで設置を実現。令和7年度は設計を実施、8年度末までに供用開始予定)▽〈京都市交通局〉地下鉄駅トイレのアップグレードプロジェクト(地下鉄全駅のトイレについて、利用者数や観光地アクセスを考慮し、女性用トイレを中心としたトイレの美装化、温水洗浄便座の設置、洋式化によるバリアフリー化などのアップグレードを戦略的に実施)▽〈京都市交通局〉地下鉄駅構内への授乳スペースの設置拡大(東山駅(令和5年度設置)に加え、国際会館駅、北山駅、烏丸御池駅、蹴上駅に設置拡大)▽〈京都市〉京都駅新橋上駅舎・自由通路整備(令和7年度は新橋上駅及び自由通路に関する詳細設計と支障物件の移転工事を実施)▽〈京都市〉京都駅の床面経路表示等の環境整備(関係鉄道事業者等と連携し、京都駅の床面経路表示等の環境整備を実施することで、市民・観光客双方の円滑な移動を促進)▽〈JR西日本〉山科駅改良による特急「はるか」の山科駅延伸(令和7年度中に山科駅改良工事に着手。京都駅発着が主の特急「はるか」を山科駅まで延伸することで、京都駅の混雑緩和とともに、市と連携し、山科駅周辺の魅力向上・利便性向上を目指す)▽〈京都市交通局〉市バス・地下鉄におけるキャッシュレス化の更なる推進(スマートフォンで乗車券の選択、決済、利用が可能となるデジタル乗車券やクレジットカードによるタッチ決済の導入に着手[令和9年度実施予定])▽〈京都市交通局〉市バスへの電気バス導入(令和7年度中に2両の運行開始を予定。8年度以降、実運用において電力使用量等のデータを収集)▽〈JR西日本〉京都線・琵琶湖線等への再生可能エネルギー由来電力の導入に係る準備(令和8〜9年度中に供用開始を予定)▽〈京都市〉meetus山科−醍醐の推進(令和6・7年度として、山科駅について、大阪・京都の中心部や関西国際空港とのアクセスの良さを活かし、京の東の玄関口として拠点性を強化。椥辻駅、醍醐駅、石田駅周辺の魅力向上)−など。