県土木部は、2024年度策定の「ふくしま木造・木質化建築ガイドライン」について、さらに建築を専門としない職員に対しても分かりやすく伝えるため「建築資料集成」と、@純木造A分棟化による純木造B混構造C部材単位の混構造−の4木造化モデル別事例集を策定した。今後、市町村や関係団体に説明会を開く予定。県だけでなく中大規模建築に木造を取り入れる際の資料としても活用でき、県内の木造・木質化促進に弾みがつきそうだ。
ガイドラインは、率先して木材利用が求められる公共建築物で、本県はじめ全国的に利用実績が少ない中大規模建築物を取り上げた。概算事業費が決まる構想段階で、木造・木質化の可否を検討する手順やポイントを示したもの。木材利用量が多く、「あらわし」などで施設利用者が木の良さを実感できる「純木造」を原則とし、困難な場合は計画施設の分棟化や混構造へ「木造」を基本に検討する。木質化は全計画施設で検討する。
ただ、木造・木質化には、ふくしま県産材利用推進会議幹事会の下に設置した施設の所管課、営繕課、林業振興課から成る部会が、コストや技術、性能面などの観点から検討するが、建築系職員ではない職員も含まれている。ガイドラインが示す木造化や木質化の考え方を「見える化」することで技術的・視覚的にも理解を深めようと、今回の資料を作成した。
資料集成は3部構成で1部は木造・木質化の見える化。2部の県内外の中大規模木造建築物の事例、3部の県内の木材生産・流通の状況を踏まえ、4つの木造化モデルを図示。図面やイラストを交えて諸元、特徴、構造・防耐火上の措置、使用木材、コストなどとともに掲載した。
木造化モデルに類似する事例集も作成した。県内は県農業総合センター農業短期大学校、白河実業高校建築科実習棟、会津美里町立宮川小学校、あだち支援学校本宮校舎、安積中学校、国見町役場庁舎、あぶくま信用金庫本店。県外も18の先進事例を取り上げ、供給体制や木造採用理由などをデータとともに示した。
(提供:福島建設工業新聞社)