滋賀県はこのほど、水産試験場本館等整備CM(コンストラクション・マネジメント)業務について、公募型プロポーザルを実施した結果、プラスPM(大阪市中央区)を特定した。
今後については、今年度中には整備業務に係る要求水準書等を作成し、来年4月頃に基本設計・実施設計・施工を一括発注するデザイン・ビルド方式による整備業務の委託先を選定する。同年8月頃に落札者を決定・公表し、その後、議会承認を得て事業者契約へと進めていく。29年(令和11年)4月の供用開始に向け事業推進を図る方針だ。
なお、発注手法は総合評価一般競争入札が有力視されている。
同事業は、彦根市八坂町2138―3の敷地内にある昭和46年建設の本館(RC造2階建、968平方b)が老朽化により外壁・内壁の剥離やシロアリによる浸食・漏水などが生じていることや、同じく敷地内にある昭和56年建設の魚病指導総合センターの排水処理能力が不十分なこと、昭和56年建設の飼育実験棟・昭和61年の生物工学実験棟においても多様な用途で使用していることからのスペース不足など、施設全体の大規模な工事が必要な状況から事業を計画。過年度に関係者らで協議し、現用地で施設を稼働させながら本館前面を整地し、本館・魚病指導総合センター及び飼育実験棟等の機能を統合、新たな施設を建設する考えをまとめた。本館完成後は直ちに既存施設の解体に着手する。
新施設は、業務効率の向上や課題に柔軟に対応できる機能の確保や省エネに対応する業務スペースの適正化を図り、小・中学生などが水産研究や食に関する体験ができるスペースの配置なども今後検討していく。
同試験場が今後想定している研究ニーズは、▽儲かる漁業の実現に必要な試験研究▽気候変動や生態系の変化などによる新たな課題への対応研究▽増殖・養殖技術研究▽魚病対策研究―などで、新施設でより良い研究体制を確保し、これらの問題解決・成果を求めていく。
水産試験場は、ニゴロブナやホンモロコなど琵琶湖固有種の保護・研究や養殖技術開発の拠点となる施設で、明治時代に犬上郡に開場した。昭和46年に現在地に移転新築し、以降必要施設を建設した結果、現在の規模となった。施設全体の敷地面積は約2万7000平方b。
提供:滋賀産業新聞