魚津市の「水族館を核としたまちづくりシンポジウム」が12日、新川文化ホールで開かれた。基調講演や「第27回(2024年)まちづくり・都市デザイン競技 水族館を核としたまちづくり」の受賞者の提案を通じて、聴講した市民らは市の地域資源を活かしたまちづくりに認識を深めた。
はじめに村椿晃市長が「提案いただいた海岸線地区の都市デザインが、ただちに実現するわけでは無いが」と前置きした上で、「海岸線沿いに点在する地域資源を結びつけた本市特有のまちづくりを、このシンポジウムを契機として、市民と一緒に考えていきたい」と開会あいさつ。同競技で魚津市長特別賞を受賞した戸田建設の村木駿斗氏、柿坂信氏に表彰状を手渡した。
同競技の審査委員長を務めた西村幸夫国学院大学教授による基調講演「都市デザインから考える魚津市海岸線地区の将来像 −水族館を核としたまちづくり−」が行われた。西村教授は「今回の競技では、新しい水族館を中心とした将来のみらパーク(魚津総合公園)のあり方と、みらパークと蜃気楼ロードを楽しく回遊できる『魚津市海岸線地区』全体のまちづくりをテーマに、およそ20年後の魚津市を描いてほしいと求めた」と説明。水族館や魚津埋没林博物館、米騒動発祥の米倉といった地域資源を「蜃気楼ロードや旧道とどう結びつけ、際立たせ、いかに回遊させるかが課題になる」と指摘した。
同競技で国土交通大臣賞を受賞した建築家の石河莉夏子氏と田代祐一氏、審査委員会賞の清水建設から渡邉大祐氏、川添純希氏、都市づくりパブリックデザインセンター理事長賞の大成建設から石田武氏、野島僚子氏、奨励賞の戸田建設から大渕光佑氏、菊池直紀氏、福見建築設計事務所から松原希実氏、毛田優香氏、魚津市長特別賞の村木氏、柿坂氏が登壇。西村教授が進行役を務めたパネルディスカッションが催され、各組が提案のコンセプトやポイントを披露した。