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建通新聞社(神奈川)
2025/07/15

【神奈川】県 県土整備局快適トイレ試行は6月末時点で10件

神奈川県県土整備局が2024年度に開始した快適トイレの試行で、6月末時点で河川改修工事など10カ所に導入したことが分かった。現場の労働環境の改善に向けて、これまでの仮設トイレとは異なる洋式便座、水洗機能を備えたトイレの設置を促している。試行は原則受注者が希望した工事を対象とするが、今後は大規模な建築工事などで当初設計段階から快適トイレの費用を計上して発注する工事の件数を増やすとしている。
 県土整備局では県内の建設関連団体からの要望を受け、24年度のゼロ県債工事から快適トイレの試行を開始。洋式便座や水洗機能、二重ロックなどの開きにくい施錠機能、照明設備、男女別の明確な表示など11の必須項目を満たしたトイレを導入する。男女で各1基ずつの合計2基まで設置することができる。設置費用は賃料を対象に、実績に基づき共通仮設費に積み上げ計上する。
 試行開始以降、同局の発注で快適トイレを設置した現場は6月末時点で河川改修工事などの土木工事10カ所だった。県議会第2回定例会建設・企業常任委員会で小林武史委員(自民党)の質問に対して田村貴久技術管理課長が明らかにした。今後の普及拡大に向けては「毎年建設業団体と連携して開催している建設事業者向けの説明会などを通じて、積極的な活用を働き掛けていく」と話した。
 試行は特記仕様書が添付された工事のうち受注者が希望した工事を対象とするが、現在快適トイレの費用を共通仮設費に計上して発注手続きを行っている建築工事が1件ある。建築工事は6月末時点の発注件数そのものが少ないため導入事例はないが、今後は県営住宅の新築など大規模な工事を対象に、快適トイレの導入を見込んで発注する工事の件数を増やすとしている。
 小林委員は「快適トイレの普及は若者や女性など新たな担い手確保につながる。引き続き労働環境の改善に取り組んでほしい」と要望した。

提供:建通新聞社