(仮称)京都大原記念病院移転新築工事について、医療法人社団行陵会(理事長児玉博行氏、京都市左京区大原井出町164)が、京都市の高度地区の特例許可手続きの規定による届出を行った。
京都市左京区の京都大原記念病院を上京区に移転する同計画によると、京都市上京区梶井町447−19、447−22、447−23、447−24、447の一部の敷地5069・35uに、S造5階建、延1万2035・55u(建築面積3282・63u)の病院を新築する。建築物の高さは19・90mで、塔屋等を含む高さは22・88m。
設計は内藤建築事務所(京都市左京区・075−781−4111)。
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京都大原記念病院移転を巡っては、15m第4種高度地区の高さの限度を超える建築物を建築することから、5月開催の京都市景観審査会で事前協議が行われた。
市景観審の事前協議で明らかになった内容によると、回復期リハビリ病院で全99室216床。内訳は多床室(4床室)39室156床、個室(1床室)60室60床。
フロア構成は、1階(3010・43u)に検査室、放射線撮影室、事務室、厨房、機械室、2階(2525・67u)に病棟、リハビリ室、職員更衣室、3階(2165・67u)に病棟、医局、薬剤室、4階(2165・67u)に病棟、5階(2090・07u)に病棟、PHF(112・50u)に階段室等を収容する。2階から5階まで1フロア1病棟の構成とし、階が分かれることで物理的境界ができるため、感染リスクの低減を図る。建物高さは19・90m。
鴨川に面する敷地東側の建物2階以上を大幅にセットバック。2階を15m、3階を27m、4階を6mセットバックする。セットバックした部分にテラスを設け、リハビリテラスや屋上テラスに活用する。建物と河川敷間には高木等植栽を整備する。
旧伏見宮邸、旧了徳寺跡地という歴史を踏まえ、和モダンな佇まいの病院としてデザインする。屋上は金属勾配屋根(一文字葺)とする。現存する旧伏見宮邸南門を保存する。
今出川通に面したエリアに自主管理広場を整備する。
計画地は賀茂大橋西詰で、今出川通南側に位置する凸型の敷地形状。北は今出川通、西は河原町通、東は鴨川に面する。用途地域は商業地域(建ぺい率80%・60%、容積率400%・200%)及び第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)。高度地区は12m第1種高度地区、12m第4種高度地区、15m第1種高度地区、15m第4種高度地区、20m第4種高度地区。
土地の大半は真宗大谷派(東本願寺)の所有。真宗大谷派が実施した公募型プロポーザルで京都大原記念病院グループ(医療法人社団行陵会)が優先交渉権者に令和5年12月に決定した。敷地西側の旧パチンコ店敷地は借地する。
なお敷地北東側の賀茂大橋西詰で鴨川に面した土地には、京都府立医科大学附属病院に入院中の子どもに付き添う家族向けの滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都((仮称)京都ハウス)」の建設が計画されている。
真宗大谷派が土地を無償で提供。京都府立医科大学、京都府立大学を束ねる京都府公立大学法人と、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが京都ハウスを建設する。
国内14ヵ所目となる京都ハウスは、RC造3階建、延約1200uを予定。
府立医科大学は、京都ハウス新築工事基本・実施設計業務について4月14日に開札し、内藤建築事務所(京都市左京区)に決定。履行期間は令和8年2月27日。