ダンピング対策を強化する観点から特別簡易型による総合評価落札方式の積極的な活用を図っている大阪市は、2026年度の入札契約制度の改正として、「総合評価落札方式の適用拡大」と「賃上げなど給与増の取り組みを進める企業を評価する」ことを決めた。
現在は原則として予定価格が6億円を超える工事に総合評価落札方式を適用しているが、26年4月1日以降に公告する工事から予定価格3億円以上に適用を拡大する。これにより例年40〜50件だった総合評価落札方式の対象工事が100件以上に増えると見込んでいる。
また、評価項目設定例の改正として、総合評価落札方式の簡易型と特別簡易型の評価項目に「賃上げなど給与増の取り組み」を追加。大企業の場合は3%、中小企業の場合は1・5%の増額で1点を加算する。
賃上げを行う企業から優先的に調達を行うとの方針を国が打ち出し、22年4月から総合評価落札方式の評価項目として賃上げを実施する企業に対する加点措置を実施している。これに加え、大阪市は、「近年多くの企業で賃上げの動きが見られるが、現在も物価上昇が高水準で推移し、市民・労働者の生活は厳しい状況にある」と認識し、「評価項目として賃上げに関する項目を設定することで、賃上げに取り組んでいる企業を積極的に評価する」とし、建設産業に従事する者の雇用環境の改善を図る。
※図表は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社