山本地域振興局建設部は、悪土川(能代市松長布)、種梅川(能代市二ツ井町種ほか)、檜山川(能代市檜山)、塙川(八峰町峰浜塙)、鵜川川(三種町鵜川)の治水対策を進めている。悪土川は、輪中堤設置を基本とした河川構造物詳細設計を8月20日に開札。鵜川川は延長約2,500mを対象に、日水コンで治水対策検討を進める。昨年度に河川設計をまとめた種梅川、檜山川、塙川は、次段階の委託に向けて内容等を検討中。
5河川はいずれも、5年7月の大雨により家屋浸水などの被害が発生。悪土川、種梅川、檜山川、塙川の4河川では、輪中堤設置などの対策を予定している。7戸の浸水被害があった鵜川川は、住宅密集地で輪中堤の設置が困難なことから、治水対策の検討を進める。
悪土川では、築堤・護岸工などの河川改良が進んでいるが、5年7月の大雨では河川が氾濫し、能代市松長布地区で周囲の家屋に甚大な浸水被害が発生。同河川の氾濫を踏まえて流域において国、県、能代市などが協働して流域の集中的な対策を行う「悪土川水災害対策プロジェクト」が策定されている。
5年7月と同規模の大雨に備え、昨年度に輪中堤設置に向けた河川詳細設計を建設技術研究所に委託。8月20日に開札する河川構造物詳細設計では、昨年度にまとめた設計条件をもとに、推進中の米代川河道掘削(発注機関:能代河川国道事務所)を踏まえた輪中堤の配置のほか、道路の嵩上げなどの対策を改めて検討し、工法の安全度、経済性、施工性を比較する。
種梅川では、大雨により河岸や護岸の決壊、家屋浸水などが発生。家屋浸水は米代川に架かる種梅川橋(国道7号)より北側で発生した。上流から下流までの延長約9,000mのうち、家屋浸水があった区間は約6,000mで、輪中堤の設置(4カ所)、築堤護岸やパラペット護岸などの浸水防止策を検討している。
檜山川では、護岸の決壊や家屋浸水(床上3戸、床下3戸)のほか、道路や田畑などの浸水が確認されたため、檜山の母体地区2カ所(合計L670m)に堤防、護岸、輪中堤といった対策を検討。種梅川はオリエンタルコンサルタンツ、檜山川は東京建設コンサルタントが昨年度に河川詳細設計をまとめている。
塙川では、県道常盤峰浜線より上流にある横内地区で家屋浸水が発生。床上1戸、床下8戸の浸水被害があった。昨年度、輪中堤設置に向けた河川詳細設計(L840m)を建設技術研究所がまとめており、今年度も治水対策に向けた詳細設計を公告する予定で、時期を検討している。
鵜川川では、昨年度にアジア航測で治水対策検討を実施しているが、対策案に課題があったため、今回の検討業務で現況流下能力の評価を実施し複数案を立案した上で、最適案を検討する。
提供/
秋田建設工業新聞社