城ア雅文宮津市長の諮問を受け、市庁舎の機能を商業施設ミップル(宮津阪急ビル)に集約・移転する庁舎移転整備について議論を進めてきた宮津市庁舎基本構想等検討委員会は、このほど市長に答申した。
答申の主な内容は、新庁舎整備の基本コンセプト、新庁舎整備に向けた機能配置や施設運用など含む宮津市庁舎整備基本計画について。
基本コンセプトは、「市民に開かれ海に開かれた『宮津の窓』となる庁舎」とし、▽利用しやすく親しみのある庁舎・利便性▽災害にも強く、安全・安心を確保する庁舎・安全性▽シンプルで経済的な庁舎・環境・経済性▽機能的な庁舎・機能性▽宮津らしさのある庁舎・意匠性の5つを掲げた。
機能配置や施設運用などは、1階は食料品・日用品等の店舗。2階は最も市民利用が高いことから、窓口部門(市民環境部、健康福祉部(一部除く))や事業部門(産業経済部、建設部)など、議場を含めた議会関係諸室など。3階は既に市民に親しまれている図書館や浜町ギャラリー、コミュニティールームを継続。4階は同じく市民に親しまれている子育て支援センターや障害者支援センター、各種コミュニティルームなどを継続して配置するほか、行政機能としては、主に管理部門(総務部、企画財政部、教育委員会)と窓口部門(健康福祉部)の一部を。5階は飲食等の店舗を配置する。
各階の整備計画として、1、2、5階には市民に開放されたテラス・オープンスペースや、民間誘致によるカフェ等がある市民ホールの設置計画、市役所の総合案内の設置、利用しやすいユニバーサルデザインのトイレ、プライバシーに配慮して窓口ブースや相談室などの個室などを計画。4階には健康・介護課とこども未来課の窓口を配置し、連携しやすい体制を計画、待合スペースやホールを充分に確保する。5階には海を臨む開放されたテラス・オープンスペースを計画する。
答申のその他付言事項として、@庁舎移転工事はできるだけ早期実現し、工期中は、既存機能に大きな影響がでないような施工をすることA詳細設計の段階において、高齢者や障がい者への案内誘導など十分な配慮、また将来の可変性を十分考慮し、職員の働きやすさに最大限の配慮をすることB庁舎移転後の運用方法等について、DXによる窓口対応や各種行政手続き等の市民サービス利便の向上、大規模災害時の拠点としての機能運用などについて、詳細検討をすることC橋北地区など庁舎から離れた地域は、同時に利便性が高まるよう、DX等を前提に、行政アクセスの充実向上をすることD庁舎が移転する島崎・浜町エリアについては、今後の宮津市の発展に向けた重要拠点にしていかなければならないことから、宮津市の新たなにぎわい創出のためのシンボルエリアとして、再開発の方向性を一体的にかつ総合的に定めることE市庁舎の移転に伴い、ミップルビルの売り場面積の減少から、買い物利便性が大きく損なわれることのないよう周辺エリアでの対応も含めて十分に配慮することF現在の市庁舎本館は、歴史的価値があるとされていることから、別途、検討組織等を設置し、庁舎移転後の本館建物の在り方について方向性を定めること−の7項目を要望した。
答申を受けた城ア市長は、「検討委員会からいただいた答申内容をしっかり受け止め、市として判断していく」と回答した。
今後の事業スケジュールについて、9月議会へ関連議案を上程し議決を踏まえ、令和7年度から8年度までに設計着手、9年度から10年度に改修工事を進め、10年度中の供用開始を目指す。