香川県は、栗林公園掬月亭保存修理耐震改修工事を2026年度から2カ年に渡って行う。本年度は実施設計を進めている。専門性が高いことから検討委員会を組織しており、有識者の意見を踏まえてまとめる。9月ごろに耐震改修案を委員会に提示し、11月ごろに委員の意見を踏まえた同案を示す方針。実施設計の納期は26年3月末。
掬月亭の規模は木造平屋454平方b。実施設計を進めるに当たって、主に、屋根の葺き替え・内装の張り替えなど部分解体による保存を目指す。併せて、耐震補強や将来的な保存を考慮した耐久性向上を図る。この他、入手困難な部材の確保や技術の継承を掲げている。
耐震改修については、壁やふすまの一部を構造用合板の全面壁に変更する。掬月南側の縁側に鉄骨柱2本を設置。南湖からの景観を考慮した工法を検討する考えだ。
県は7月18日、「香川県栗林公園掬月亭保存修理耐震改修検討委員会」を栗林公園商工奨励館で開いた。
委員長には徳島文理大学文学部文化財学科教授の清水真一教授が就任。清水氏は「意匠性と耐震性の両立は非常に難しいが、委員会で知恵を出し合って検討していきたい」と考えを述べた。
実施設計は伊藤平左エ門建築事務所(東京都新宿区)が受注した。耐震補強に関わる構造設計については、北茂紀建築構造事務所(東京都板橋区)が担当している。
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建通新聞社