国土交通省近畿地方整備局と日本道路建設業協会(道建協)は「2025年度道路工事等の諸課題に関する意見交換会」を7月30日に開き、道建協が抱えるさまざまな課題について意見を交わした。道建協からは、全国の舗装のアスファルト合材製造数量が24年度に過去最低となっていることを踏まえ「今後の道路整備、維持管理、更新を着実に進めるためにも道路関係予算の安定的かつ持続的な確保」を重ねて求めた。
今回、道建協から▽公共工事予算の安定的・持続的な確保▽道路舗装工事における労働環境の改善と担い手確保▽入札や契約制度の改善▽舗装工事積算の改善▽道路舗装のメンテナンスサイクルの確立―などの議題が挙げられた。
意見交換に先立ち近畿地整の齋藤博之局長は国土強靱化実施中期計画について触れ、「5年間で20兆円強程度となっているが、各年度の取り扱いについては災害の発生状況や事業の進捗、経済情勢、財政事情などを踏まえ機動的、弾力的に対応するとされている。これまで通り地方の実情を訴えていくことが重要。引き続きタッグを組んで要望などの活動を続けていきたい」と協力を求めた。
道建協の西田義則会長は、激甚化、頻発化する災害を踏まえ、「強靱で信頼性の高い道路ネットワークの構築や高度成長期に集中的に整備されたインフラが今後急速に老朽化することが懸念される」とし、予算の安定的な確保を求めた他、「適切な賃金水準の確保に向けて建設キャリアアップシステムを含め引き続き積極的に対応していく」と担い手確保に向けた取り組みの推進を誓った。
議事では、道建協が「労働環境の改善と担い手確保」の観点から年間を通じた工事の平準化などを求め、これについて地整側は、平準化や早期発注に努めると回答した。
また、道建協からの「道路舗装のメンテナンスサイクルの確立」や「舗装施工管理技術者資格(1級、2級)の活用」求める声に対して近畿地整は、「舗装施工管理技術者資格の活用については発注者協議会などで情報共有を図っていく」ことで活用を促す姿勢を改めて示した。
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提供:建通新聞社