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建通新聞社(静岡)
2025/08/04

【静岡】課題はコスト ペロブスカイト太陽電池

 静岡県は、「ペロブスカイト太陽電池」などの次世代型太陽電池の普及・促進、地域企業の関連産業への参入を目指す官民連携の「次世代型太陽電池部会」設立を記念し、7月24日に静岡市内で講演会を開いた。桐蔭横浜大学医用工学部臨床工学科大学院工学研究科長、大学医用工学部臨床工学科長の池上和志氏を講師に招き、ペロブスカイト太陽電池の基礎知識をはじめ活用事例、今後の課題などの解説を受けた。
 平木省副知事は「静岡県の日照時間が長い利点を生かしながら、物流倉庫や製造業の屋根に軽量なペロブスカイト太陽電池を搭載してほしい」と参加者に呼び掛け、「県としても技術を高めるため、民間企業と積極的に情報交換を図りたい」と話した。
 講師の池上氏は、横浜港大さん橋でペロブスカイト太陽電池を設置した実証実験例などを挙げながら、軽量で柔軟性があるため設置がしやすい一方、製造コストがかかるなどの課題にも触れた。
 静岡県は、再生可能エネルギーや蓄電池などの技術開発を促進し、エネルギーを軸とした新たな次世代産業の創出を目的に、企業や自治体、研究機関などで構成する「静岡県創エネ・蓄エネ技術開発推進協議会」を2018年に設立。協議会では講演会や交流会をはじめ、コーディネーターによる企業間のマッチング支援、ワーキンググループ(WG)活動、研究開発を行う。WGの活動で実現が見込まれるプロジェクトは、国・県の助成金により技術開発の支援を受けることができる。
 「次世代型太陽電池部会」は、同協議会の中に新設。企業が連携して新たなWGをつくり、次世代型太陽電池の関連産業の振興などにつなげることが期待される。

(提供:建通新聞社)