近江八幡市は、沖島コミュニティセンターの新築を計画している。現施設の老朽化等に伴うもので、今年度に基本設計を進める。その後、来年度に実施設計を行い、翌2027年度(令和9年度)に新施設の建設工事(分離もしくは一括発注)を予定する。
現在の沖島コミュニティセンター(近江八幡市沖島町268番地1)は、琵琶湖に浮かぶ有人島である沖島の地域コミュニティ活動の拠点として活用されてきたが、S造2階建、延347・51平方bの施設は建築後42年が経過。老朽化が激しく、防災拠点としての機能も不十分であることから、新たな施設の整備を行う計画。
新築するコミュニティセンターについては、地域活動の拠点だけでなく、消防詰所、診療所、観光案内コーナー、公衆トイレ等の関係施設を含めた複合的な施設として整備し、「沖島の玄関」として島民以外の人も気軽に交流できる場として、また災害時には避難所として活用することを目的に整備を進める。
建築場所は、近江八幡市沖島町481番地2(敷地面積1187・48平方b)。現施設から南東に近接する沖島漁業会館(沖島漁業協同組合)の北隣に位置する。現況は広場、近江八幡市消防団沖島分団の沖島コミュニティ消防センター(延79平方b)など。
想定される施設規模・内容は、W造平屋建、延400〜500平方b程度のコミュニティセンター(消防詰所・車庫、診療所、公衆トイレを含む)。構造は比較検討のうえ決定する。湖畔風景ゾーンにある沖島の景観に配慮したデザインとする。
コミュニティセンターは▽事務室=事務員6名勤務、窓口カウンター▽調理室=調理台2台(1台6名で使用)▽会議室1=15名程度(会議室2と可動間仕切り)▽会議室2=会議室1と合わせて65名規模(災害時には要援護者を収容)▽会議室3=自治会使用15名(非常時は消防指令室として利用)▽更衣室A・B=職員の男女更衣室▽玄関ホール=観光パンフレットや島の情報を配架・展示するスペース、地域住民が気軽に集え、開放的な談話スペースを設置▽トイレ=男性用小便器3・洋式便器1、女性用洋式便器2(うち1はベビーチェア設置)、車いす利用1▽シャワー室=ボランティア用1台▽屋内倉庫=3ヵ所(うち1ヵ所は災害時用備蓄物〔備蓄食・毛布・水・衣料品〕の保管、2ヵ所は自治会の備品・机・椅子・文書保管場所として活用)―。
診療所は▽診療待合所=3・3平方b以上、7名程度収容▽診療処置室=点滴スペースとして3人分の処置台(ベッド)▽診察室=9・9平方b以上確保、診察ベッド1台、医師のデスク、薬品棚▽診察受付=事務員2名従事、デスク1台、カウンター―。
消防センターは▽消防車庫=消防軽車両▽消防詰所=デスクスペースのほか、災害対策に対応する職員15名程度が打合わせできるスペ―ス―。
公衆トイレは、男性用小便器2・洋式便器2、女性用洋式便器3(うち1はベビーチェア設置)、車いす利用1。
その他、屋外スペースは、港側にテラスを設置し観光客の休憩・待合場所とする。コミセンと漁業会館をつなぐ渡り廊下を設置する。建物の庇を長く設定し、駐輪場、イベントスペース、観光客の熱中症予防に活用。建設予定地の樹木は伐採する。
基本設計業務の受託者は、8月28日開札の一般競争入札で選定する。委託期間は契約締結日から来年3月31日まで。
なお、建設予定敷地内の既存建物の解体設計業務については、来年度に発注する予定。
提供:滋賀産業新聞