名古屋市観光文化交流局は、名古屋城内の植栽管理で、文化財に影響を及ぼす可能性がある樹木や外来種などの伐採等を行う初弾の特別管理を御深井丸西部地区で行う。8月6日に開いた特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議に実施計画を諮り、文化庁への現状変更手続きを進める了承を得た。同手続きを進めるとともに、工事発注に備える見込みだ。
御深井丸西部地区の施行数量は、伐採は計187本(高木103本、中木71本、生垣4本、低木・玉物9本)、剪定は計84本(高木77本、中木7本)、低木の切り戻し剪定は計125カ所(玉物113カ所、寄植12カ所)。
高木の伐採理由(重複あり)では、文化財への影響が28本、来場者の安全確保で32本、外来種は2本、周辺樹木への被圧が46本、歴史的建造物などの見通しを阻害している樹木2本を挙げている。
同地区の伐採、剪定は25〜28年度に分けて実施する計画。
名古屋城の植栽管理計画は今年3月に策定。特別史跡の価値を高めるため、計画的な植栽管理を行い、歴史的な造園空間を造っていくのが目的だ。除草、中低木刈込や高木枝剪定といった日常管理に加え、文化財へ影響を及ぼす可能性のある樹木や安全性が懸念される樹木の伐採・剪定、外来種の伐採といった特別管理を実施することにしている。
今回、検討会議で了承を得た御深井丸西部地区以降は、御深井丸茶席群地区、本丸地区、西之丸地区の順に特別管理を行っていく想定としている。
提供:建通新聞社