乙訓環境衛生組合(管理者・前川光大山崎町長)は、大山崎町下植野の現ごみ処理施設隣接地に新ごみ処理施設を建設する「ごみ処理施設整備事業(仮称)」を計画している。
組合では、組合を構成する向日市、長岡京市、大山崎町の区域内から発生し、組合へ搬入される一般廃棄物を、ごみ処理施設、リサイクルプラザ、プラプラザ、し尿処理施設及び勝竜寺埋立地の各施設で処理している。
現ごみ処理施設については、平成26〜29年度に実施した長寿命化工事により、稼働目標年次を令和14年度まで延命し、その他の施設は定期整備と維持補修で処理を行っているが、計画的に各施設の更新整備に取り組む必要があることから、令和4年3月に一般廃棄物処理施設整備基本構想を策定し、ごみ処理施設を更新することとし、新ごみ処理施設では安全性や安定性の向上、低コスト化や低炭素社会に貢献する施設の整備を行う方針とした。
その後、令和7年3月に施設整備基本計画を策定し、令和15年度の稼働開始を目指し、新施設整備を行う。
基本計画によると、新ごみ処理施設の主な建築物は、ごみ焼却施設、粗大ごみ処理施設関連を収容する工場棟、計量棟、管理事務所等。焼却施設の処理方式はストーカ式を採用。
現し尿処理施設の解体工事を令和10年度に行うためには、それまでに発注を行う必要がある。新ごみ処理施設の発注者支援は令和10年度までを予定しており、現し尿処理施設の解体工事とは別発注とする予定。
メーカーへのヒアリングより、ごみ処理施設の設計・建設工事は4年の工期が必要と見込み、設計・建設工事と解体工事を一括発注することで、解体工事の業者選定や契約手続きの必要がなく、新施設竣工前から解体工事の準備を進めることができ、効率的に工事を進めることができるとしている。
新ごみ処理施設の竣工後直ちに、解体工事を実施する予定。新ごみ処理施設の建設工事発注時(令和10年度予定)と一括で解体工事の発注を行う予定。令和7年度にはダイオキシン類、アスベスト等の事前調査を実施し、予算や工事内容の詳細を計画していく。
令和3年度に作成した基本構想において、現焼却施設は解体し、資源化施設を建設する計画としている。新資源化施設の稼働後、現資源化施設を解体し、敷地内を整備する計画。
令和6年度に実施した事業者アンケートより、4社(全社DBO方式による概算事業費提出)の平均値より算出した概算事業費は、520億5902万2000円(解体工事費は含まず、施工監理費を含む)。内訳は、319億4977万2000円、運営維持管理費計(20年)201億0925万円。
組合が8月8日に公表したごみ処理施設整備事業に係る計画段階環境配慮書によると、現ごみ処理施設(大山崎町下植野南牧方32)は75t/日×3炉(225t/日)の施設で令和14年度までの稼働を予定。それ以降はごみ処理施設整備事業による新ごみ処理施設が関係市町から排出される廃棄物の処理を担う。新ごみ処理施設は、組合の敷地内で現ごみ処理施設に隣接する土地(現し尿処理施設等を解体した跡地)に建設する。処理能力は61・5t/日(2・56t/時間)×2炉の焼却123t/日。処理対象物は可燃ごみ、選別後可燃物、し尿前処理残渣。
煙突高さは未定。基本計画では航空法の制限のない60m以下とする案を挙げたが、今回は59mとするA案、78mとするB案の複数案を示した。今後の実施設計で決定する。現ごみ処理施設煙突高さは59m。
煙突位置は施設南側と施設北側の2案を設定した。
環境影響評価(環境アセスメント)を約5年(令和6〜10年度)で進め、新ごみ処理施設建設工事は約4年(令和11〜14年度)、その後、現ごみ処理施設の解体工事及び敷地整備を約1年強(令和14〜15年度)で進める。
計画段階配慮書に係る業務の委託先は東和テクノロジー京滋営業所(京都市西京区)。